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中学受験指導スタジオキャンパス・内田実人先生による連載「受験算数の深層」。
今回取り上げるのは、中学受験算数の立体図形、その中でも苦手意識を持つお子さんが少なくない「展開図」です。
立体図形というと、「空間認識のセンスが必要」「頭の中で立体を組み立てられないと難しい」と思われがちです。しかし、展開図の問題は想像だけに頼るのではなく、面の数からもとになる立体を考え、どこを切断するのかを順序立てて整理することで、考えやすくなります。
今回は実際の入試問題を例に、展開図から立体を読み解く「3つの手順」を解説します。
図1のような正方形と正三角形からなる展開図があります。この展開図は、1辺10cmの立方体の一部を切り取った立体の展開図です。次の問いに答えなさい。

(1)略
(2)略
(3)図1の展開図を組み立てたときの立体の体積を求めなさい。
(’22 広尾小石川 大問6)
立体図形は「センス」だけで解くものではない
皆さん、こんにちは。
今回は久々に図形の単元を取り上げてみたいと思いました。
その中でも立体図形の「展開図」を用いた問題です。
皆さんは立体図形と聞くとどんなことを思い浮かべるでしょう?
立体図形は「センス」で決まる?
“センスでしょ!?”
“小さい頃から「パズル」や「積み木」が好きだった子が得意なんでしょ!?”
“うちの子は「空間認識能力」に長けてないから…。”
そんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実物に触れる経験も大切
たしかに小さい頃からの経験は大切です。
私も紙や発泡スチロールで立体を切って見せたりします。
生徒のお母さんでも豆腐を一緒に切ったりしたことがあるといった話も聞きます。
今では便利なグッズも売っていたり、パソコンやタブレットで整った画像を見ることもできますね。
展開図の問題は「手順・方法」で考える
とはいえ、3次元の立体を2次元の平面上で問題を解かなければなりません。
上記のように小さな頃からの実際の経験もしつつ、さらに問題に臨んだ際に大切なことは、しっかりとした“手順・方法”を学ぶことです。
ここでは立体の「展開図」を組み立てる上記の問題を使って、“手順・方法”の例をお伝えします。
展開図から見取り図をつくるには
まずは図1の展開図を見てください。

この体積を求めるためには組み立てた図(見取り図)が必要です。
とはいえ、この図を組み立てることを頭で思い浮かべながら
見取り図が描けるものでしょうか?
どこの面を下(底面)とすればよいのでしょうか。
さらにどの面を横(側面)にすればよいのでしょう?
想像で組み立てるのはなかなか大変そうです。
そこで以下の“手順”をふんでみましょう。
展開図から立体を考える3つの手順
展開図から立体を考える手順は次の通りです。
(手順①)面の数を参考にして、もとになる「基本立体」を描く
(手順②)さらに別の面を参考にして、もとの「基本立体」を切断してみる
(手順③)「基本立体」から切断した立体を取り除く
それでは次の問題で試してみましょう。
正方形6面から「基本立体」を考える
正方形の面が6つ、正三角形の面が8つあることから、もとになる「基本立体」を立方体としてみましょう。
立方体では同じ正方形の面が6つ、頂点が8つありますね。

正三角形8面から切断部分を考える
正三角形の面が8つあることから、立方体の各頂点部分で三角すいを切断してみましょう。

「立方体-8つの三角すい」で体積を求める
できあがった立体は、1辺が10cmの立方体から三角すいを8つ取り除いた形
(立方八面体とよばれます)になりました。
たしかに正方形の面が6つ、正三角形の面が8つでできていますね。
すると体積は、
\( 10 \times 10 \times 10- 5 \times 5 \div 2 \times 5 \times \frac{1}{3} \times 8
= 833\frac{1}{3}\ (\mathrm{cm}^{3})
\)
“何て単純な立体ができるんだろう”と思われたことでしょう。
展開図は想像だけで組み立てない
しかしながら「手順」をふまえないで、頭の中でだけ組み立てることができるでしょうか?
暗記しているならいざ知らず、展開図からいきなり想像だけで見取り図を組み立てるのは難しいと思われます。
そこで上記のような「手順」で、
様々な展開図を利用して練習してみましょう。
立体図形は「経験」と「手順」の両方が大切
低学年のうちは実際に実物を見たり、触ったり、描いたりする習慣があると良いですね。
そして高学年になった時は、作業する上での「手順」を身に付けることが大切です。
今回の問題の例のように、塾で学んだ「手順」をしっかり繰り返し練習してみてくださいね。


