植物は例外や原則から覚えよう【理科学習のイロハ】

用語学習のポイントをご紹介した前回に引き続き、理科の学習のコツについて記します。

植物単元を効率よく覚えていく工夫

受験生が知識習得に苦労することが多いのは「植物単元」ではないでしょうか。
特に各種分類における具体例などは、工夫せずに1つ1つを覚えていくと膨大な知識量になってしまいます。

それではどのようにして効率的に、かつ忘れにくい覚え方をすればよいでしょうか。
私の考える「知識を覚える工夫」は「収納テクニック」と似ているかもしれません。

  1. まずは「引き出しや小物入れ(見出しや小見出し)」をつくる

    植物の受粉には自家受粉他家受粉がある
  2. 「小物入れ」に入れる「小物(具体例)」は特殊なもの(例外)大多数(原則)から収納する

      自家受粉アサガオ・イネ・ムギ・エンドウなど ←こちらが例外(少数)
      他家受粉 … 上記以外 ←こちらが原則(大多数)

    ①まずは「引き出しや小物入れ」をつくる

    ①についてですが、「小物」を入れる「引き出しや小物入れ」を最初に用意するイメージです。見出しとなる引き出しをつくらずに小物を入れてしまうと、どこに何がしまってあるのかが分からなくなり、ここぞというときに見つからなくなってしまいます。

    ②「小物」は特殊なものや大多数から収納する

    次に②です。いよいよ「小物」を入れていきます。具体例である小物を効率よく整理整頓するためには「数少ない特殊なもの(例外)」や「大多数であるもの(原則)」を優先して収納するのがコツです。こうすることで必要な時にパッと探して取り出すことができるようになります。

    ※具体例を覚えることが苦手な生徒は、①の「見出し」づくりが上手にできていないことが多いと感じます。

    実例で確認!「見出し/小見出し」と「具体例(例外/原則)」

    それでは実際に「見出し/小見出し」と「具体例(例外/原則)」の一部をご紹介します。

    〈例1〉種子のタイプ

    種子には、発芽に必要な養分を胚乳にたくわえる有胚乳種子と、子葉にたくわえる無胚乳種子があります。
    この場合は有胚乳種子の植物を例外として優先的に覚えてしまいましょう。

    有胚乳種子イネ科カキ(余裕があればオシロイバナ・マツ)
    無胚乳種子 … 上記以外

    〈例2〉 花びらの枚数

    まずは多くの植物の花びらが5枚であることを押さえましょう。

    その上で例外として覚えておきたい(よく問われる)植物は4枚アブラナ科と、花びらを持たないイネ科です。

    余裕があれば単子葉類の植物は3の倍数であることを知っておきましょう。

    4枚アブラナ科(アブラナ・キャベツ・ハクサイ・ダイコン)
    0枚イネ科  (イネ・ムギ・ススキ・トウモロコシ)
    5枚 … その他の科(離弁花…バラ科・マメ科/合弁花…ヒルガオ科・ナス科・キク科・ウリ科)

    〈例3〉おしべの本数

    合弁花(花びらが根元でくっついている花)は原則として5本です。
    離弁花(花びらが1枚ずつ取り外せる花)は科によって異なりますので余裕があれば個別に少しずつ覚えましょう。

    合弁花 … 多くは5本(ヒルガオ科・ナス科・キク科・ウリ科) ※キュウリとカボチャは3本
    離弁花 … アブラナ科は6本,マメ科は10本,バラ科は多数

    ※アブラナ科は4本の長いおしべと2本の短いおしべの合計6本です。

    知識の定着率を高めるためのさらなる工夫

    知識の定着率を高める工夫として、

    ・用語は漢字で覚える(前回の記事を参照してください)
    ・見出しや小見出しをつける→具体例は「例外/原則」から覚える

    という2点をご紹介しました。

    しかし、工夫だけでは覚えられることに限界があります。

    知識の習得にはそれなりの時間と労力を費やすことでしょう。
    眺めるだけでは覚えられないのであれば書いて覚えたり、一度で覚えられないのであれば何度も繰り返し復習したりといった取り組みが必要です。

     

    また、ゴロ合わせをつくるのが得意な人ならばそれで覚えるのも良いでしょうし、視覚優位な人ならば図や写真が豊富に掲載されている資料集を使うと効果的に頭に入るかもしれません。

    人それぞれに向き不向きがあるでしょうから、自分に合った方法を見つけて楽しく学習しましょう。
    勉強って奥が深いですね。

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