六日の菖蒲、十日の菊 ――五節句の話

「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざがあります。「むいかのしょうぶ、とおかのきく」と読み、菖蒲も菊も植物の名前です。

国語の文章では、季節を表すために花などの植物が登場することが多々あります。
わたしなどは小さいころに花札という日本のトランプのようなカードゲームをよく親戚とやっていたので、 「梅、ああ 2 月の!」と咄嗟に思うのですが、それはわたしが田舎生まれというのもあります。

そこで、今回は 10 月といったら紅葉!のように、季節を表す植物や言葉を紹介しようと思います。

五節句

皆さんは【節句】というものを知っていますか?昔から日本では、暦の上に 5 つの節目をつくり、 その日にお祝いをする風習がありました。

人日(じんじつ)の節句
1月7日……春の七草を七草粥にして食べる風習があります。
上巳(じょうし)の節句
3月3日……桃の節句とも言われます。ひな祭りの日です。
端午(たんご)の節句
5月5日……菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る風習があります。こどもの日として祝日になっています。
七夕(しちせき)の節句
7月7日……たなばたとして知られます。スタジオキャンパスでも笹に飾り付けをしましたね。
重陽(ちょうよう)の節句
9月9日……菊の節句。菊の花を浮かべたお酒を飲む風習があります。

このように、季節と植物というのは、生活に深く関わるものであり、だからこそ文学作品に用いられてきたのです。

「六日の菖蒲、十日の菊」

さて、「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざの意味はもう解りましたね?

5 月 5 日に必要な菖蒲が 6 日に届く、9 月 9 日に必要なはずの菊が 10 日に届く、つまり、時期を逃して意味がなくなった状態です。受験やテスト、終わってから知識を詰め込んでも遅いですよ?

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