母校・海城へ。講演会で受けた「意外な質問」とは?

皆さん、こんにちは。教育アドバイザーの清水章弘です。
この連載では、私が全国をまわりながらみてきた教育現場の風景を、勉強アドバイスとともにお届けします。

清水、母校に帰る!

山手線のある駅で降りると、韓国料理店、韓国式エステが立ち並んでいます。煌びやかな外装の店に目をやると、K-POPアイドルのグッズが所狭しと積んである。「閑静な住宅街」という表現からは程遠く、世に言う「落ち着いた教育環境」とは、お世辞にも言えません。

何年ぶりでしょう。母校に帰りました。コリアンタウン・大久保(新大久保)にある、海城でございます。心優しいPTAさんにお声がけいただき、保護者の方々向けに講演会をさせていただきました。

講演会で受けた「意外な質問」とは?

PTAさん達の熱量が高く、2か月前にアンケートをとってくれました。そこには「講演で聞きたいこと(質問リスト)」が。
唐突ですが、そこに載っていた、「質問したいことトップ3」をご紹介します。

「親にしてもらってよかったことは?」
「学生時代の時間の管理方法は?」
「海城時代にどれくらい勉強した?」

です。
保護者の悩みは、どこの学校も同じですよね。ちょっとホッとしました。

ただ、意外に多くて驚いた質問がありました。それは、「教育の仕事についてから感じる『海城の良さ』とは?」というもの。

いやー、そうですよね。僕も一人の親として同感します。自分の子が通っている学校の強み(または弱み)は、認識しておきたいもの。

ですが! そんな質問されたら、それだけで講演時間(70分)が終わってしまいますよ。だって私は、歴代卒業生のうち、母校愛が強いランキング暫定1位(私調べ)ですから。

学校選びに大切な「土地のにおい」

冗談はさておき、どんな回答をしたのか。たくさん語ったのは間違いありませんが、そのうち1つが「土地のにおい」について。海城って、冒頭に書いたように、落ち着かない場所にあります。「治安がいいか?」と言われたら即答しかねる場所にある。でも、それは活気の裏返し。歩いているだけで刺激がある。

たとえば、入学後に、こんな展開も容易に考えられます。中1で韓国語に興味を持つかもしれません。中2でK-POPにハマり、中3でそのグローバル戦略に興味を持つかもしれません。高1で外国人が日本で暮らす難しさに興味を持ち、高2で外国人労働者の葛藤を知り、高3で社会学を志望するかもしれません。ダイバーシティに身を置くことは、複眼的思考のきっかけになるのです。

もちろん、異国情緒あふれるから良い、と言いたいわけではありません。どんな学校にも場所のにおいがあり、そこが学校の強みになるのではないか、と思うのです。全国の学校を見ている中で、うまくいっている学校は、たいてい「地の利」(利便性だけの話ではなく)を生かしています。ぜひ、学校選びは直接足を運び、土地のにおいを嗅いでみてください。

長時間通学をプラスに変える勉強法

さて、他にもたくさんご質問が集まりました。「長時間の通学について」も多かった。長時間の通学はハンデと思われがちですが、プラス面にも目を向けると、生活にメリハリもできるし、体力もつく。スキマ時間の使い方も上手になり、これらは受験期の強みになります。私は片道1時間半弱かけて通っていましたので、僕のおすすめ勉強法をお伝えしました。

①通学中に「サボる時間」を決める

1つ目は、通学中に「サボる時間」を決めること。家を出てから学校に着くまで、ずっと勉強しては疲れてしまいます。「乗り換えのA駅まではサボる」「快速の通過待ちをしているときは、休憩」のようにするといい。休憩のとり方がうまくなると、自律的に学習を進める礎になります。

②「2分で覚えて30秒でテスト」

2つ目は、「2分で覚えて30秒でテスト」。まず、勉強を始める前に、覚えたいものを決めておきます。そして、電車(もちろんバスでも可)が動いているときに、範囲を決めて覚える。そして、電車が駅に停車している時間(20秒~30秒)で、それを覚えているかテストするのです。手でかくしたり、赤いチェックシートでかくしたり。インプットとアウトプットを小刻みに繰り返していくことで、テンポよく知識を定着できます。

これら2つは、どの学年でも活用できます。応用も効くので、ぜひ小学校高学年からやってみてほしいです。

そういえば僕もよく母に「スキマ時間を無駄にするな」とよく言われていました。小学生から言われていましたね。口うるさく言い続けてくれた母には、(今となっては)感謝です。強烈な母なので、ここだけの話、当時は「●」のようでしたが……(あれ、おかしい。何度書いても文字化けしてしまう……)。

以上、大好きな母校・海城の話でした。そういえば、母校って「母なる学校」と書きますね。母って偉大!いつか、母についても書きますね。

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