香蘭女学校中等科の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算問題(4問)・小問集合(10問)
大問2 場合の数
大問3 点の移動
大問4 平面図形(角度・面積比)

昨年度同様、計算問題4問、小問集合10問、大問3題(小問8問)の合計22問構成でした。毎年小問集合においては偏りなく各単元から出題されます。また大問の3題では、点の移動・場合の数・図形(平面または立体)が頻出の分野です。標準的な難度の問題をくり返し演習し、苦手単元を作らないようにすることが大切です。計算問題や小問集合においては、ミスのないよう、一つ一つ目視確認・手ざし確認等行いながら確実に得点してほしいです。

国語

大問1 物語文(森島いずみ『ずっと見つめていた』)
大問2 論説文(伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』)

読解問題の文章は2題とも標準的な長さです。ただし、設問数が多い(大問1が小問で12問、大問2が小問で8問)上に、記述式問題も多く出題されています。また、本文内容を図式化したものについて空欄部を埋めさせるという特徴的な問題が、例年に引き続き出題されています。選択式問題もやや選びづらいものもありますので、本文内容を俯瞰的に、かつ細部にこだわって読む習慣をつけておく必要があるでしょう。

理科

大問1 知識総合
大問2 日本の四季
大問3 メダカの観察(読解)
大問4 光の反射・屈折
大問5 金属と塩酸の反応・金属の酸化

昨年度、はじめて出題された読解問題ですが、今年度は大問3で出題されました。メダカの観察をしている2人の会話文を読んで問題を解いていく形式でした。次年度以降も踏襲される可能性が高くなりましたので、読解問題の対策は必要です。典型的な問題を中心に構成されているので、まずは、各分野の基本知識をしっかりと身につけた上で、過去問演習を通して出題の傾向を掴んでおきましょう。

社会

大問1 日本の生活・文化と「松」との関わり
大問2 城の歴史

大問2つがいずれも総合問題で、小問数が40問前後、短答式と選択式が中心の出題形式は例年通りです。短文論述は1問で、これまでは意見を述べる形式もありましたが、今年度は標準的な問題に変わっていました。時事問題は毎年出題されるので、対策は必須です。「カーボンニュートラル」など難度の高い出題もありますが、全体的に標準レベルの出題が多く、苦手な単元をつくらないように幅広く基礎・標準レベルの問題演習を繰り返すことが重要です。

 

2020年

算数

大問1 計算問題(4問)・小問集合(10問)
大問2 立体図形
大問3 数の性質と場合の数
大問4 点の移動

昨年度同様、計算問題4問、小問集合10問、大問3題(8問)の合計22問構成です。本校では、食塩の問題や円とおうぎ形の問題は毎年出題されています。また、立体図形の問題に関してもよく出題されます。かたよりなく各単元から出題されますが、前述の単元は特に力を入れて学習しましょう。そして、苦手な単元をつくらないよう、標準的なレベルの問題を繰り返し演習しましょう。

国語

大問1 物語文(岩瀬成子『もうひとつの曲がり角』)
大問2 論説文(清水眞砂子『あいまいさを引きうけて』)

例年通り文章2題の構成でした。大問1の心情変化について大問2の内容を踏まえて記述するといった、大問横断型の小問が出題されたのが特徴的でした。記述に注目されがちですが、複数選択する問題、選択肢の字数が100字超といった問題など、本校の選択問題は難度が高いものも含まれます。選択肢の文の長さに臆せずよく読み解答するといった、精読の力も要します。日頃から選択問題を解答する際、選択肢が違う根拠を探すなどの対策も有効です。

理科

大問1 知識総合
大問2 キャンプの振り返り作文(読解)
大問3 生物の特徴・バイオミメティクス
大問4 てこ
大問5 化学変化

昨年度までは、大問2以降の4題は各分野から1題ずつ出題される構成でしたが、今年度は 大問2にキャンプに参加した生徒の振り返り作文を読んで解く総合問題が出題されました。来年度以降も出題されるかどうかはわかりませんが、日ごろから知識をただ丸暗記するのではなく、用語を説明できるまで理解をする必要があります。本校を目指す受験生は、計算問題、知識問題に関わらず、基礎、基本を徹底するように心がけましょう。

社会

大問1 日本と海との関わり
大問2 詩歌と日本の歴史

出題形式が変更になった昨年度を踏襲した形で、今年度も大問2題、小問数38問、うち論述問題は2問です。制限時間内に終わる分量で、分野を横断した出題内容ではありますが、大半は基本レベルでした。今年度の時事問題では、「ブラックホール」「イトカワ」といった理科の内容を答えさせる問題が含まれており、注意が必要です。論述問題は意見を述べる形式ではなく、新聞記事を要約するという珍しい出題でした。苦手分野をつくらず、基本レベルの定着を徹底しましょう。

 

2019年

算数

大問1 計算問題(4問)小問集合(10問)
大問2 平面図形の平行移動と速さ(2問)
大問3 数の性質と場合の数(3問)
大問4 立体図形の切断後の体積と角度(3問)

例年通り、計算問題4問、小問集合10問、大問3題で計22問でした。小問集合では各単元から標準的なレベルの問題が出題されています。食塩水、円とおうぎ形の問題は毎年出題されているので特に力を入れて練習しましょう。また、立体図形も毎年、後半の大問で出題されています。今年度の最後の大問は立体の切断面の図形の角度、切断後の体積の問題です。大問3では数の性質を利用して推理、整理して解く能力が必要です。

国語

大問1 物語文(杉本りえ『100年の木の下で』)
大問2 論説文(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』)

例年通り文章2題構成でした。今年度は記述問題が計6問出題されましたが、昨年度、一昨年度に見られたような自由記述の要素を含む問題はありませんでした。大問1は登場人物の心情の移り変わりを丁寧にたどってほしいと思います。大問2の論説文は今年度の開成でも題材になった本から出題されました。内容的にやや難しく感じられた受験生がいたかもしれません。なお、本校は今年度より2日午後入試を導入しましたが、そちらの国語は求める記 述量がかなり多かったことを付け加えておきます。

理科

大問1 小問集合(8問)
大問2 プラスチック・食物連鎖
大問3 ヒトの呼吸器官と消化器官
大問4 回路と豆電球・発熱
大問5 5種類の白色粉末の推定実験

小問数28問は昨年度と同じです。大問1の小問集合は全体の3分の1を占めますので、基礎知識は正確に身につけておきましょう。また、化学分野においては例年、やや難解な計算が出題されることがありますので注意が必要です(今年度はそれほど難度の高い計算は出題されていません)。標準レベルの問題集を一通り学習すれば得点できるようになるはずです。知識はもちろん、典型問題の解法を確実に身に付けて試験に臨みましょう。

社会

大問1 香蘭女学校の歴史
大問2 オリンピックの歴史と東京オリンピック

事前の説明会での予告通り、大問2題構成に変更されました。いずれも総合問題で、時事問題も含めて中学入試で学ぶ内容が散りばめられています。試験時間30分に対し、小問数は37問。うち短文論述が3問出題され、1問は条件付きの意見論述です。難度が高いわけではありませんが、事前の対策は必要でしょう。全体的に標準レベルの問題が多く、解答時間にもゆとりがあり、高得点勝負になったと思われます。苦手分野をつくらず、幅広い知識を身につけましょう。

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