豊島岡女子学園中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 小問集合
大問3 売買損益
大問4 点の移動
大問5 規則性
大問6 立体図形

受験者平均は60. 19点、合格者平均は72. 32点と昨年度に比べると高得点での勝負となりました。問題構成に大きな変化はなく、大問1よりも大問2の小問集合の方が難度が高い、大問6の立体図形は切断に関わるもの、などの傾向もそのままでした。対策としては、高難度の一行題での演習で解答力を磨きつつ、過去問演習を通じて時間配分や問題の取捨選択能力を身につけましょう。

国語

大問1 論説文(内田樹『先生はえらい』)
大問2 物語文(ひこ・田中『好きってきつい』)

読解問題の特徴としては選択肢が5択であること、そしてそれぞれ記述式問題が1題ずつ出されていることです。主題形式に関わらず、抽象化や要約、人物の心情把握などが高いレベルで求められるものとなっています。それでも 受験者平均点が65. 6点、合格者平均点が72. 4点と高得点での競争になっていますので、上記の事柄について常に意識しながら国語の学習に取り組んでいくことが不可欠と言えそうです。

理科

大問1 電気回路
大問2 クエン酸と重曹、水酸化カルシウムの反応
大問3 メダカ
大問4 月と地球

合格者平均点は36. 6点でした。大問1の(4)(5)や大問3の(5)は、毎年出題される情報の整理とグラフおよび表の読み取りの問題でした。大半の問題が参考書に載っているような見慣れた知識問題ですので、それらの問題は確実に得点しておきたいところです。自分が得意な単元から取り組み、苦手な単元の問題については後回しにして、効率よく解き進めていくことが重要です。

社会

大問1 公民総合
大問2 歴史総合
大問3 地理総合

大問は3題、小問は25問(短文論述が1問)で例年通りの出題構成です。難易度は標準的で、合格者平均点は37. 6点(得点率約75%)と昨年度同様に高得点勝負となりました。大問1の公民は政治から防災、新型コロナウイルスなど近年話題となっているもの、大問2の歴史は政治史や社会史など、大問3の地理は地形図や気候、産業が出題されました。本校の社会では、世の中の出来事に関心を持ち、苦手単元をつくらず基礎を積み上げる学習が求められます。

 

2020年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 小問集合
大問3 速さ
大問4 平面図形
大問5 場合の数
大問6 立体図形

受験者平均点は56. 52点、合格者平均点は68. 95点と、昨年度(受験者平均点57. 66点、合格者平均点66. 90点)とほぼ同程度に落ち着きました。大問1の小問よりも大問2の小問の方が難度が高いことや、大問6の立体図形に難問が配置されていることなど、問題構成に変化はありません。難度の高い一行題の訓練を積んだうえで、過去問演習を通じて時間配分の練習をすることで、得点力を上げましょう。

国語

大問1 論説文(菅原裕子『聞く技術・伝える技術』)
大問2 物語文(湊かなえ『ブロードキャスト』)

漢字は大問1に含まれています。記述問題は30字、80字の2問です。昨年度と同様に選択肢中心の問題です。5択ですから、読む総字数は多い上に、解答の絞り込みにも苦労します。選択問題は1問5点、記述問題は1問9点という配点なので、1問の間違いが大きな影響を及ぼします。正確な読解力を身につけるべく、過去問題演習はもちろん、日頃から高いレベルの文章に触れておくとよいでしょう。論説文は要約文を書く習慣を身につけておくと効果があります。

理科

大問1 ばね・てこ
大問2 水溶液の分類
大問3 ヒトの体
大問4 地震・プレート

合格者平均点は34. 4点でした。大問1の問題は、情報の整理とグラフおよび表の読み取りが必要で骨の折れる問題でした。最後に回してじっくり取り組んだ受験生が良い結果を残せたのではないでしょうか。大問2から大問4は、参考書にも載っているような問題で、知識に関する問題は得点しておきたいところでした。自分が得意な単元から取り組み、苦手な単元の問題については後回しにして、効率よく取り組んでいくことが重要です。

社会

大問1 歴史総合
大問2 地理総合
大問3 公民総合

大問数は3題、小問数は25問で、地理・歴史・公民の3分野から出題されました。難易度も標準的で、合格者平均は37. 5点(得点率約75%)と今年度も高得点勝負となりました。大問1の歴史総合では小問数が9問ではあるものの、時代を限定せず政治史から外交史まで、大問3の公民総合では国内政治の問題から国際関係や時事問題まで広い範囲から出題されているのが特徴です。基礎を着実に積み重ね、分野ごとの苦手をなくす学習が求められます。

 

2019年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 小問集合
大問3 等差数列・数の性質
大問4 図形上の点の移動
大問5 場合の数
大問6 立体図形

受験者平均点は57. 66点、合格者平均点は66. 90点と、昨年度(受験者平均点61. 27点、合格者平均点74. 75点)と比べると難化し、差がつきにくくなっています。大問1の小問よりも大問2の小問の方が難度が高いことや、大問6の立体図形に難問が配置されていることなど、構成自体に変化はありません。難度の高い一行題の訓練を積んだうえで、過去問演習を通じて時間配分の練習をすることで、得点力を上げましょう。

国語

大問1 論説文(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』)
大問2 物語文(石井睦『連帯のメールをおくる』)
大問3 漢字の書き取り

今年度は漢字が独立した大問になりました(3問)。記述問題は40字、80字の2問です。昨年度と同様に選択肢中心の問題です。5択ですから、読む総字数は多く上に、解答の絞り込みにも苦労します。選択問題は1問5点、記述問題は1問12点という配点なので、1問の間違いが大きな影響を及ぼします。正確な読解力を身につけるべく、過去問題演習はもちろん、日頃から高いレベルの文章に触れておくとよいでしょう。論説文は要約文を書く習慣を身につけておくと効果があります。

理科

大問1 鉄球の運動・車輪の運動
大問2 気体の発生と中和反応
大問3 ヒトの体内のつくりとはたらき
大問4 気象

合格者平均は41. 8点(83. 6%)で高得点勝負でした。昨年度同様、化学・物理で難解な計算や実験データの分析問題が出題されませんでした。大問1の前半の問題で差がついたと予想されます。生物・地学は例年通り標準レベルの問題でしたので、取りこぼしは許されません。ここ数年は平易な計算問題しか出題されていませんが、理系教育に力を入れている本校だけに、物理・化学分野の計算問題は十分に対策をしておきましょう。

社会

大問1 ごみ問題・環境問題
大問2 司法制度・日本国憲法

昨年度の大問3題から2題に減少しましたが、小問数が25問で短文論述が1問という構成に変化はありません。公民分野でも、時事的な内容が今年度も出題されています。合格者の平均得点率は78. 5%で、例年よりもさらに高得点勝負となりました。全体的に高いレベルを求められますが、最上位レベルの知識量を必要とする程ではありません。試験時間が理社合わせて50分のため、問題を解く速さも重要です。さまざまなタイプの問題で演習を積み重ねましょう。

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