東京都市大学付属中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 速さ
大問3 立体図形
大問4 つるかめ算・場合の数
大問5 図形上の点の移動

合格者平均点はⅡ類が76.3点、Ⅰ類が60.0点となり、2年続けて易化しました。昨年度と同じく、大問1は計算問題が2問、小問が6問出題されています。例年、小問数は合計18問であることを考えても、大問1の対策は欠かせません。一行問題を徹底的に強化しましょう。大問2以降は難度の高い問題も出題されますので、解くべき問題の取捨選択をする必要があります。立体図形と比の問題は頻出ですので、重点的に対策を行いましょう。

国語

大問1 説明文(武田邦彦『先入観はウソをつく』)
大問2 物語文(式田亮『カラーコート』)
大問3 韻文総合(高村光太郎『ぼろぼろな駝鳥』他)

合格者平均はⅠ類が66.3点、Ⅱ類が75.7点、受験者平均点は65.8点です。問題構成・難度は例年通りでした。大問1は先入観がもたらすマイナス面について述べた説明文です。読みやすい内容なので、確実に得点したいところでした。大問2はドッジボールに打ち込む小学生たちの心の成長を描いた物語です。本校の国語は知識の出題割合が比較的高いため、普段から偏りのない学習を心がけましょう。

理科

大問1 食物連鎖
大問2 太陽の動き
大問3 中和反応
大問4 ばねとふりこ

例年通り大問4題構成で、各分野より1題ずつ出題されています。合格者平均点はⅡ類が36.2点、Ⅰ類が32.3点でした。難問・奇問はなく、比較的解きやすい問題が並んでいますが、理科・社会合わせて45分のため時間配分に注意が必要です。対策としては、基本知識の習得、計算問題演習を確保、典型問題を素早く正確に解けるようにした上で、過去問題演習をおこなうと良いでしょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史総合
大問3 公民総合

合格者平均点はⅠ類が33.6点、Ⅱ類が36.9点、受験者平均点は32.8点です。地理・歴史・公民分野から万遍なく出題され、小問数は30問と例年と比べて大きな変化はありませんでした。注目問題は、大問3の科学技術発達の現状や問題点を考えさせる問題です。世の中の出来事に広く関心を向けているかが問われた問題です。本校の社会は基本知識を問う問題が多いため、塾で課される宿題をしっかりやることで十分に合格ラインに到達できます。

 

2017年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 割合と比の文章題
大問3 複合図形の辺および面積比
大問4 流水算
大問5 三角すいの辺の比および体積比

合格者平均点が、Ⅱ類66.6点、Ⅰ類49.1点と昨年に比べて易化しました。大問1は基本問題中心で、計算が2問、小問が6問出題されました。大問2以降は標準~応用問題が中心になります。自分が解ける問題を見極めて解いていく姿勢が大切です。対策としては、過去問演習を通して計算・小問対策を行うこと、図表を書きながら条件整理を行うことが大切です。立体図形と比に関する問題は頻出ですので、十分に対策をしておきましょう。

国語

大問1 論説文(岡本裕一郎『12歳からの現代思想』)
大問2 物語文(椰月美智子『しずかな日々』)
大問3 韻文総合(堀口大学『海の風景』他)

例年出題される詩の問題が韻文(詩・短歌・俳句の融合問題)総合に変わり、その中に言語知識を問う小問が含まれるという構成になりましたが、難度に変化はありませんでした。大問1は自然への人間の関わり方についての論説文です。問8は選択肢の文章が長いため注意が必要でした。大問2は母と離れて祖父の家で暮らす少年の成長物語です。難問はなく得点源としたいところでした。本校の国語は、普段の勉強を地道に積み重ねれば十分に対応できる問題です。

理科

大問1 夜行性の動物の行動
大問2 地層と岩石
大問3 水溶液と金属の反応
大問4 てんびんのつり合いと浮力

制限時間が社会と合わせて45分なので、急いだ受験生も多かったと思います。しかし、さほど難しい問題もなくサクサク解き進められたのでは。合格者平均はⅠ類が36.7点、Ⅱ類が40.8点。受験者平均は34.7点との発表です。平均が高いということはミスが命取りです。大問1でやや目新しい問題が出ています。ひるまず解き進められた受験生は高得点だったでしょう。計算も含めて基礎を徹底することが肝心。基礎から苦手な分野を残さないように練習しましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史総合
大問3 公民総合

今年度の小問数も25問。つまり1問2点の配点で50点満点の学校です。論述問題はなく、選択問題と短答式からなる出題です。各分野とも万遍なく出題がなされており、苦手な単元がないように準備しておく必要があります。今年度の問題の中で目を引いたのは、大問3にあった「名称に濁音がふくまれる省庁の数」です。「1府12省庁」の名前がしっかりと頭の中に入っているかが問われています。基本知識をおろそかにしない勉強が大切です。

 

2016年

算数

大問1 計算・⼩問集合
大問2 ⽴体図形(四⾓錐の切断)
大問3 ⽐の⽂章題
大問4 速さと⽐(ダイヤグラム)
大問5 平⾯図形(図形の移動)

合格者平均点が、Ⅱ類58.8点、Ⅰ類43.6点と難しくなりました。特に⼤問2と3が難しく、時間配分に失敗した受験⽣も多かったのではないでしょうか。⼤問1と⼤問4は基本的な問題で、ここを確実におさえることが勝負の分かれ⽬になりました。対策としては、過去問演習で⼩問対策を⾏うこと、書き出し・図をかいて条件整理を⾏うことが必要です。⽴体図形と⽐の問題は頻出ですので、トレーニングを積み重ねておきましょう。

国語

大問1 論説⽂(養⽼孟司『考えるヒト』)
大問2 物語⽂(佐野久⼦『⾛る少⼥』)
大問3 詩(⾼村光太郎『道程』『冬が来た』
大問4 漢字の知識

問題構成は例年通りでした。漢字については、昨年度に引き続き部⾸に関する問題でした。⼤問1は学問全般と⼈間の脳の関係について述べた論説⽂、⼤問2の物語⽂は「家族の絆」がテーマでした。詩は表現技法と内容理解を問う基礎的な問題でした。読解問題については選択問題が多いため、本⽂中の解答根拠を正確に探し、選択肢との⽐較を細かく⾏うという習慣を普段から⾝に付ける必要があるでしょう。

理科

大問1 植物の分類・呼吸
大問2 地震
大問3 ⽔溶液(中和)
大問4 滑⾞と輪軸(⾃転⾞のペダル)

合格者平均点は、Ⅱ類が30.9点でⅠ類が26.6点と難しめでした。理科・社会合わせて45分のため、時間が⾜りなかった受験⽣も多かったと思います。⼤問3の中和の計算・⼤問4の輪軸(ペダル)の計算問題で差がついていると思われます。対策としては、基本知識を正確におさえること、計算問題の演習を数多く⾏い、典型問題を素早く正確に解けるようにした上で、過去問演習を⾏うと良いでしょう。

社会

大問1 地理(総合)
大問2 歴史(総合)
大問3 公⺠(総合)

今年度の⼩問数は全部で25問(うち、漢字指定が4問)。1問2点で50点という配点が予想されます。出題内容は、⼤問1が地理の総合問題で、気候グラフや統計の読み取りなども出されました。⼤問2は歴史の総合問題で、政治史から⽂化史まで幅広く出題されています。最後の⼤問3は公⺠の総合問題で、中国の⼀国⼆制度に関する問題などもありました。おおむね基本問題が中⼼であり、苦⼿分野をつくることなく勉強する必要がある学校です。

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