横浜雙葉中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 約束記号
大問3 図形の移動

受験者平均点は51.6点で、昨年よりも約12点下がりました。大問3の図形の移動は受験生が苦手とする傾向のある単元であり、その影響が出ているものと思われます。例年、本校の問題は小問集合のウエートが高く、この部分の出来が結果を左右することになりますが、今年度は例年以上に大問1の出来が点数に直結したことでしょう。各単元の典型的な問題を繰り返し学習して、大問1で得点を積み上げる力をつけましょう。

国語

大問1 知識(漢字の読み書き、俳句の知識、敬語など)
大問2 物語文(宮下奈都『つぼみ』)
大問3 論説文(宮内泰介『歩く、見る、聞く 人びとの自然再生』)

今年度の受験者平均点は66.5点でした。大問2・3ともに5択の選択問題に丁寧に対処することが大切です。大問2の文章はなかなか難解でした。自然とのかかわり、社会の営みについて論じた哲学的な内容で、使用されている語彙レベルも高いものでした。全体的には選択肢問題中心ですが、自由記述形式の問題を含め、記述問題が計4問出題されています。本校を志望する人は過去問にしっかりと取り組むことが大切です。

理科

大問1 アサガオの結実について
大問2 水素と酸素の化合
大問3 気圧と飽和水蒸気量
大問4 光の反射

受験者平均点は49.5点(61.9%)でした。全体的に一度は目にしたことのある問題が多いのですが、大問1には実験方法を説明させる問題、大問4には光の反射を作図しながら考える(解答させる)問題も見られました。例年、記述問題やグラフの作図をはじめ、途中式を記す計算問題が出題されています。パターン暗記だけに留まらず、考える過程(計算問題ならばどのように解答を導いたのかをノートに残す等)を意識した学習を心掛けましょう。

社会

大問1 歴史総合
大問2 地理総合(日本の農業・工業・地形図など)
大問3 公民総合(憲法・地球環境・国際関係など)

受験者平均点は43.2点(80点満点中)でした。本校の社会は、あるテーマに基づいたリード文が与えられ、その説明に関する小問に答えるというオーソドックスな出題構成となっています。小問の中には簡単な論述問題も含まれ、今年度は2問出題されました。大問1の与えられた資料から、歴史の研究テーマを自分で考えて書くという問題は、本校における社会の授業スタイルを示すメッセージでしょう。時事問題まで含めた偏りのない学習を心がけましょう。

 

2017年

算数

大問1 小問集合
大問2 マッチ棒で数を作る
大問3 時計とダイヤグラム

受験者の平均点は63.8点でした。大問3では時計の動きをグラフ化したものが提示されました。目新しい出題形式でしたので面喰った受験生も多かったでしょう。ただし、丁寧に情報を読み取ることで十分に紐解ける問題でした。本校の算数は大問1の小問集合で決まります。出題されるのは計算問題とオーソドックスな文章題・図形。中学受験向けの問題集を解き込めば目にするような問題ばかりです。基礎・基本を徹底することが合格への近道です。

国語

大問1 知識(漢字の読み書き、形声文字、識別問題など)
大問2 論説文(黒崎政男『哲学者クロサキの哲学超入門』)
大問3 物語文(神沢利子『空色のたまご』)

今年度の受験者平均点は66.5点でした。大問2・3ともに5択の選択問題に丁寧に対処することが大切です。大問1は人工知能についての文章(他校でも人工知能をテーマにした文章が多数出題)で、少々内容が難しく感じられた受験生もいたことでしょう。選択肢問題中心ですが、問9は自由記述形式の問題です。大問3の記述問題は2問。ともに文中のことばだけを用いて記述を作成するのではなく「行間を読む」力が試されています。

理科

大問1 ヒトのからだのつくり
大問2 中和反応
大問3 地層
大問4 さおばかり

受験者平均点は52.9点(66.1%)でした。大問1ではCTスキャンで撮影した断面図についての問題が出題されています。大問2の中和の実験はあまり見慣れない切り口ですが、内容自体は平易な問題でした。例年、記述問題やグラフの作図をはじめ、途中式を記す計算問題が出題されています。パターンの暗記だけに留まらず、考える過程(計算問題ならばどのように解答を導いたのかをノートに残すなど)を意識した学習を心掛けましょう。

社会

大問1 歴史総合
大問2 地理総合
大問3 公民総合

今年度の小問数は42問で、論述問題は1問のみでした。まず大問1は各地の祭りや行事を題材にした歴史の総合問題です。今年度唯一の論述問題が問2で、弥生時代の高地性集落に関する問題でした。大問2は地理の総合問題です。地図の中に飛騨山脈を書きこませるという問題もありました。そして大問3は国際社会を中心にした公民の問題です。「対人地雷」を答えさせる問題もあり、やや難しかった問題です。本校の解答用紙は独特です。受験する前に問題の実物に触れておきたい学校です。

2016年

算数

大問1 計算・割合・和と差・条件整理・⾓度・数
大問2 ⽔そうとグラフ
大問3 点の移動と調べ上げ

受験者の平均点は54.4点でした。今年の⼤問2と⼤問3は⾯倒な問題が並びました。両⽅とも完答を⽬指すと時間が⾜りなくなったかもしれません。解きやすい問題を確保したら、どちらかに絞り込んでじっくり解くという戦略が必要だったでしょう。本校の算数は⼤問1の⼩問集合で決まります。出題されるのは計算問題とオーソドックスな⽂章題・図形。中学受験向けの問題集を解き込めば⽬にするような問題ばかりです。基礎・基本を徹底することが合格への近道です。

国語

大問1 漢字の読み取り・書き取り、副詞など
大問2 物語⽂(林真理⼦『本を読む⼥』)
大問3 物語⽂(林真理⼦『本を読む⼥』)

今年度の受験者平均点は66.5点でした。⼤問2の物語⽂の読解問題では5択の選択問題に丁寧に対処することが⼤切です。 3問の記述はすべて⼼情を問うもの。⼤問3の論説⽂はゴリラの研究者、京⼤の総⻑として著名な⼭極寿⼀の⽂章。SNSが⼈間社会に与える影響について論じています。思考⼒が問われる⼤学⼊試改⾰を考えてのことでしょうか、問10は「筆者の意⾒に対して、あなたの体験を通じて考えたこと」を問いかける⾃由記述問題が出題されています。

理科

大問1 動植物の栄養の貯蔵と利⽤
大問2 ⽔の温度による体積変化
大問3 ⽉の満ち⽋け・動き
大問4 ゴムひもののび

受験者平均点(得点率)は58.2点(72.8%)で、昨年度同様に⾼得点勝負となりました(昨年度の受験者平均点は61.0点)。記述や作図とともに、途中式を書かせる計算問題が出題されています。⼤問2で差がついたと思われます。⽤語やパターンの暗記だけに留まらず、考える過程(計算問題ならばどのように解答を導いたのかをノートに残すなど)を意識した学習を⼼掛けましょう。

社会

大問1 歴史(総合)
大問2 地理(総合)
大問3 公⺠(総合)

本校独特の縦⻑の解答⽤紙は今年度も健在。多くの知識問題に加え、論述問題が計2問出題されています。⼤問1は船をテーマにした歴史分野の問題です。そして⼤問2は鉄道をテーマにした地理分野の問題です。リニア中央新幹線のルートなども出題されました。最後の⼤問3は公⺠分野の問題です。全体的に難易度は⾼くないものの、漢字指定問題も多く、受験⽣の努⼒の質が問われているような印象を受けました。

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