豊島岡女子学園中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 小問集合(4問)
大問2 小問集合(4問)
大問3 約束記号
大問4 旅人算
大問5 相似と面積比(メネラウス型)
大問6 立方体の切断

受験者平均点は61.27点、合格者平均点は74.75点でした。昨年度同様、今年度も高得点勝負となりました。大問1は計算問題、割合、数列の和、数の性質です。大問2の小問はやや難度の高い問題で、いもづる算、周期(ライトの点滅)、食塩水の入れ替え、おうぎ形の弧の長さでした。大問4と6は難度が高く、差がついた問題と思われます。例年難度が高い典型題が出題されます。一行問題の応用題の演習は不可欠です。

国語

大問1 論説文(榎本博明『「やさしさ」過剰社会』)
大問2 物語文(本田昌子『夏の朝』)

昨年度と同じ出題構成です。記述問題は90字、100字の2問です(昨年度は55字と65字の2問)。今年度は選択問題が大幅に増加しています。しかも5択ですから、読む総字数は明らかに多くなりました。記述字数の増加と併せると難度は上がったといえるでしょう。正確な読解力を身につけるべく、過去問題演習はもちろん、日頃から高いレベルの文章に触れておくとよいでしょう。論説文は要約文を書く習慣を身につけておくと効果があります。

理科

大問1 物体の衝突実験・振り子の運動
大問2 物質の三態と体積変化
大問3 昆虫の知識・死亡率の計算
大問4 岩石の風化と災害

合格者平均は34.8点(69.6%)でした。化学・物理分野で難解な計算や実験データの分析が出題されなかったため、比較的解きやすかったのではないでしょうか。大問1の前半の設問で差がついたものと予想されます。生物・地学分野は例年通り標準レベルの問題ですので、最少失点で切り抜けることがポイントでした。理系教育に力を入れている本校だけに、物理・化学分野の計算問題は男子校顔負けの難度です。特に力を入れて対策を行いましょう。

社会

大問1 社会保障
大問2 天然資源
大問3 日本の教育史・学校の歴史

各分野から大問1題ずつ、短文論述1問を含む小問は25問、公民分野で時事問題の出題があるという出題構成は例年通りです。今年度も一部で難問(乳幼児期の予防接種についてなど)がありますが、合格者の平均得点率は昨年度並みに約68%で、こちらも例年通りの高得点勝負となっています。問われている知識は標準レベルが多く、設問文などに惑わされないように早く正確に解く練習を積み重ね、得点力を上げましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算小問
大問2 小問集合
大問3 食塩水の濃度
大問4 円周上の点の移動
大問5 条件整理
大問6 正六角柱の切断

昨年度同様、今年度も解きやすい問題が多く、高得点勝負となりました。大問1では計算が1問,小問が3問出題されましたが、いずれも基本問題です。前半の3題は効率よくどんどん解き進め、大問4~6では時間を使って、ていねいに考えをまとめていく姿勢が大切でした。対策としては、基本的な解法を一通り理解した上で、過去問演習を通して、難度の高い問題に慣れていくとよいでしょう。難しい問題にも果敢に取り組む姿勢が求められます。

国語

大問1 論説文(清水真砂子『大人になるっておもしろい?)
大問2 物語文(吉屋信子『女の子』)

昨年あった漢字の独立問題はなくなり、文章読解の中に漢字の問題が含まれています。記述問題は2問(55字と65字)で、昨年と同じです。選択問題は大きく減少し、代わりに抜き出し問題が大幅に増加しています。選択肢は5択で長めの文です。紛らわしいものも含まれているため、ここで大きな差が生まれると思われます。正確な読解力が求められています。過去問題をこなし、問題の解き方を確立させていきましょう。

理科

大問1 物体の等加速度運動
大問2 食酢と水酸化ナトリウム水溶液の中和
大問3 メダカの観察
大問4 惑星の運行と会合周期

合格者平均は30.2点(60.4%)と、昨年度(71.6%)よりも難化しました。大問1・2・4に見られるような、分析力と計算力が必要となる問題のウェイトが高かったことが理由と考えられます。故に大問3のような単純な知識を問う問題での失点はできるだけ抑える必要があるでしょう。理系教育に力を入れている本校だけに、物理・化学分野の計算問題は男子校顔負けの難度です。特に力を入れて対策を行いましょう。

社会

大問1 日本国憲法
大問2 日本のすがた
大問3 時代の転換点

各分野から大問1題ずつ、小問が25問、うち短文論述が1問、公民分野で時事的な話題を扱うという構成に変化はありません。今年度は「標高別の植生分布」や「不輸の権における民衆の負担」、「長屋王」など一部に難問があり、合格者平均点は少し下がって約68%でしたが依然として高得点勝負が続いています。試験時間が理社合わせて50分で高得点が求められることを考えると、速く正確に解く練習は必須です。とくにグラフや表、地形図の読み取りには慣れておきましょう。

 

2016年

算数

大問1 計算・仕事算・約数
大問2 速さ・⾷塩⽔・魔法陣・⾓度
大問3 数の性質
大問4 直⾓三⾓形の折り返し
大問5 旅⼈算
大問6 ⽴体図形と影

受験者平均点は63.86点、合格者平均点は79.06点でした。今年は全体的に解きやすい問題が並びましたので、平均点がやや⾼くなりました。豊島岡の算数は⾮常に⾻太な問題が多く、⼩⼿先だけではない本格的な算数の⼒が求められます。特に⽴体図形に関しては、算数好きの男⼦でも苦戦しそうな問題が出ますので要注意です。算数を⽑嫌いせずに、難しい問題にも果敢にチャレンジしていく精神を持つことが合格へ近づくコツです。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 論説⽂(川崎謙『神と⾃然の科学史』)
大問3 物語⽂(⽚島⻨⼦『中指の魔法』)

漢字の書き取りが独⽴問題になったこと以外は例年通りです。記述問題は2問(50字と70字)で、昨年度(90字が1問)より字数は増加しています。傍線部分の根拠と⽂章の要旨をまとめる問題で、それぞれ7点と8点の配点です。5択の選択肢は紛らわしいものも含まれているため、ここで⼤きな差が⽣まれると思われます(1問5点)。正確な読解⼒が求められています。過去問題をこなし、問題の解き⽅を確⽴させていきましょう。

理科

大問1 地震
大問2 種⼦の発芽
大問3 筒の重⼼とつり合い
大問4 ⾦属と⽔溶液の反応・溶解度

合格者平均点(得点率)は35.8点(71.6%)でした。⼤問1は標準問題ですので、全問正解することが必要です。⼤問2では光発芽種⼦に関する実験問題が出題されました。⼤問3と⼤問4は問題⽂に与えられた条件を正確に読み取り、丁寧に計算することが求められる⾮常に解き応えのある問題です。理系教育に⼒を⼊れている本校だけに、物理・化学分野の計算問題は男⼦校顔負けの難度です。特に⼒を⼊れて対策を⾏いましょう。

社会

大問1 公⺠総合(国政選挙)
大問2 歴史総合(芸能の歴史)
大問3 地理総合(貿易と産業)

今年度も短⽂論述は1題のみで、他は選択式か⽤語・語句、数値を答えさせる問題です。例年通り、社会的な関⼼事を題材とした問題が出題されています。全体的に難度は⾼くありません。合格者平均点は36.6点(73.4%)で、3年連続して⾼得点勝負です。知識の正確性が求められる⼀⽅で、理社合わせて50分という試験時間を考えると、社会は素早く解くことも必要です。難問もありますが、まずは標準的な内容を確実に定着させることに意識を向けましょう。

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