フェリス女学院中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 小問集合
大問2 点の移動(2つの同心円)
大問3 図形の回転移動
大問4 立方体の切断
大問5 割合の文章題

 合格者平均点は48点で昨年度(46点)なみでした。大問1は計算、平面図形、割合、差集め算、整数の問題でした。大問3は図形が通ったあとが与えられていて、回転させた図形を考える問題で、なじみがなく戸惑った受験生が多かったでしょう。例年より平易な問題に感じますが、合格者平均点を見ると取捨選択が合否を分けたと思われます。難度が高い問題に 慣れておくことが、本校合格への対策になります。

国語

大問1 物語文(山川方夫『煙突』)
大問2 説明文(好井裕明『違和感から始まる社会学』)
大問3 文の組み立て
大問4 漢字の書き取り・読み取り

フェリス女学院の発表によると今年度の受験者平均点は60点(100点満点/合格者平均点は未公表)とこの3年では一番難しい問題だったことが分かります。近年のフェリス女学院は選択肢問題の占める割合が多く、ここで取りこぼしてはいけません。大問1の問15は一見自由記述問題のように思えますが、文章の理解度も同時に診ているであろうつくりになっています。大問3は文法知識の基礎ともいえる「単文・重文・複文」を見分ける問題でした。

理科

大問1 中和・気体の発生の融合問題
大問2 モノコードの実験
大問3 消化器官とだ液の消化実験
大問4 川原や海岸の土砂について

大問数は昨年度より1題減りました。小問数39問(枝問含む)に対して約半数が記述・作図問題で、受験者平均点は35点(58.3%)でした。大問4は受験生があまり目にしたことのない内容で、グラフなどから考える問題ということもあり、差がついたと予想されます。本校で出題される記述問題の内容は基本的な用語の説明や実験結果の考察など様々です。頻出問題に対する理解を確実にし、過去問を通して記述力向上を目指しましょう。

社会

大問1 新幹線沿線地域
大問2 人物史

小問数は46問、論述問題が10問でいずれも昨年度並です。論述問題は難度の高いものを含んでいますが、全体としては標準レベルの知識を問う問題から構成されています。難関校特有の初見データ・グラフの読み取りは本校でも出題されるので、事前に似たような問題を解いて対策をしておくと良いでしょう。また、本校は世界地理の出題が珍しくありません(今年度はアマゾン川やサウジアラビアの観光業など)ので、こちらの対策も行ないましょう。

 

2017年

算数

大問1 小問集合
大問2 三角形の面積比
大問3 割合と比(代金と個数・売買損益)
大問4 三角形に内接する円
大問5 水そうに積み木を入れる問題

合格者平均点は46点でした。昨年度(50点)より下がりました。大問1は計算、特別角と面積、割合、規則性、整数の問題でした。大問3は条件を表にまとめて数量関係を比にしていくのがポイントです。大問4の内接円の問題は、なじみがなく面くらってしまった受験生が多かったでしょう。昨年度より平易な問題に感じますが、合格者平均点の低下を見ると、取捨選択が合否を分けたと思われます。難度が高い問題が出題されることが多いので、難関校のハイレベルな問題を数多く経験し対策をしましょう。

国語

大問1 物語文(下村湖人『次郎物語』)
大問2 論説文(野矢茂樹『哲学な日々』)
大問3 知識問題(修飾語と被修飾語)
大問4 漢字の書き取り・読み取り

フェリス女学院の発表によると今年度の受験者平均点は69点(100点満点/合格者平均点は未公表)。近年のフェリス女学院は選択肢問題の占める割合が多く、ここで取りこぼしてはいけません。大問1の問18では物語文の続きを創作させる問題(180字以内)が出ましたが、これはフェリス女学院の過去問ではお馴染みの形式ですので戸惑う受験生は少なかったでしょう。大問2の論説文は短い文章を読ませ、要点把握と筆者の意見の理解度を測っています。

理科

大問1 電球のブラックボックス
大問2 ダイズの発芽
大問3 季節と生物
大問4 天体と光
大問5 熱の伝わり方

大問は昨年度よりも1題増えて5題構成に戻りました。小問数は30問ですが、記述の問題が多く配置されていますので、時間配分には十分な配慮が必要です。受験者平均点は38点(63.3%)との発表です。昨年問題が易しくなった本校ですが今年は2年前に戻った印象です。先述した記述問題は毎年多く出題されます。内容は基本的な用語の説明や実験結果の考察など様々です。頻出問題に対する理解を確実にし、過去問を通して記述問題の対策を十分におこないましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 公民総合
大問3 歴史総合

今年度の小問数は44問で、うち8問が論述問題です。大問1では日本各地の知識が問われました。基本問題が中心です。大問2は高齢化・参院選・難民をテーマにした総合問題です。二院制の長所を論述させる問題もありました。そして大問3は弥生時代から昭和の戦後までの社会史が出題されました。合不合判定テストでも出題された「渋沢栄一」を答えさせる問題もありました。本校では幅広い知識が求められます。正確な知識を身につけることが大切です。

 

2016年

算数

大問1 ⼩問集合
大問2 割合と⽐の⽂章題
大問3 図形の平⾏移動
大問4 ⽴⽅体を切断した⽴体の展開図
大問5 不等式

⼤問1は計算、円と⾓度、往復の平均の速さ、推理算、おうぎ形の⾯積でした。⼤問2は条件を表にまとめて数量関係の⽐を求めていくのがポイントです。⼤問4の展開図では組み⽴て⽅が異なる場合を考える問題で、⾯くらってしまった受験⽣が多かったでしょう。ここ数年フェリスにしては平易な問題が多かったですが、今年度は難度が⾼い問題が多くありました。また、⽴体図形が出題されるようになりました。難関校のハイレベルな問題を数多く経験し対策をしましょう。

国語

大問1 物語⽂(⼩川国夫『彼の故郷』)
大問2 説明⽂(村井吉敬『エビと⽇本⼈』)
大問3 敬語の知識
大問4 漢字の読み書き

⼤問1の物語⽂は、昨年同様に選択問題や抜き出し問題が中⼼であり、登場⼈物の⼼情を客観的に把握する⼒が試されています。選択肢の⽂章がやや⻑いので丁寧に読み込みましょう。⼤問2は説明⽂。例年通り条件記述問題が数問と⾃由記述問題(問6)が1問出題されています。⾃由記述問題は社会的な知識が求められていて、かなり難しい問題といえるでしょう。⼤問3・⼤問4は基礎的なレベルですので、取りこぼさぬようにしたいものです。

理科

大問1 ⽔溶液の分類の実験
大問2 浮⼒
大問3 オオカマキリについて
大問4 オオカマキリについて

⼤問4題と1題減少しましたが、⼩問数は49問と昨年度よりも増加しました。ここ数年は難化傾向にありましたが、今年度は易化しました。問題を効率良く解き進めることが⼤切な構成でした。記述問題は毎年多く出題されますが、基本的な⽤語の説明や実験結果の考察など様々です。頻出問題に対する理解を確実にし、過去問を通して毎年出題される記述問題の対策を⼗分に⾏っておきましょう。

社会

大問1 公⺠(総合)
大問2 地理(総合)
大問3 歴史(総合)

⼤問1は税⾦をテーマにした出題。ただし分量は少なく、⼩問数は4問です。⼤問2は地理分野からの出題です。⾃然環境や各産業の知識が問われました。そして⼤問3はアジア・太平洋にまたがる知識を問う歴史分野の問題です。外交史が主ですが、かなり細かい知識も問われ、難易度の⾼い出題でした。⼊試問題全体の論述問題は8問であり、多くは知識を説明させるもの。表⾯的な知識だけでは太⼑打ちできない問題でした。

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