東洋英和女学院中学部の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算問題(3問)
大問2 小問集合(5問)
大問3 円とおうぎ形
大問4 割合と比
大問5 3量のつるかめ算
大問6 推理算
大問7 さいころの展開図
大問8 ダイヤグラム
大問9 立体図形の体積
大問10 数の性質

合格者平均点は71.4点と例年並みでした。大問3は例年通り、おうぎ形を組み合わせた面積の問題で「ゾウさん」でした。大問5は差がつく問題の3量のつるかめ算、大問8は例年出題されるグラフの問題でした。かたよりなくさまざまな単元から出題されます。苦手単元をつくらないよう、標準的な問題集を繰り返し演習させましょう。また、出題傾向がはっきり しているので、過去問演習が一番の対策になります。

国語

大問1 物語文(伊藤整『少年』)

本校の国語は、物語文(随筆文)・説明文(論説文)の二題構成でしたが、昨年度と今年度は物語文一題のみの出題になりました。出題された物語文は有名なので、目を通したことのある人がいたかもしれません。設問については、心情やことばの意味をじっくり考えさせるものを中心としたオーソドックスな選択肢問題が中心です。問8・問9・問13は記述問題です。特に問9は解答用紙ではなく問題用紙に設けられた解答欄に書かねばならないので注意が必要です。

理科

大問1 実験操作・気体の燃焼
大問2 豆電球の回路と電流
大問3 流水と地形・地層の形成(グランドキャニオン)
大問4 エンマコオロギとエゾススの生活史

合格者平均点は44.5点(74.2%)でした。生物分野の問題に特徴のある本校ですが、今年度も昆虫を題材とした実験考察が出題されました。また、全体を通して記号選択問題で複数解答させるものが多かったのも特筆すべき点です。日々の学習において、知識問題や典型問題での正答率を高める学習を心掛けてください。さらに、与えられた説明文やグラフから「何を問われて何を答えるのか」を考える習慣をつけましょう。

社会

大問1 日本と世界のつながり(地形・貿易など)
大問2 政治史
大問3 司法

今年度の小問数は34問で、一行程度の論述問題が7問出題されました。大問1は日本とカナダのつながりをテーマとした問題でした。問4の太平洋プレートの動き、問6のサマータイムの利点など学習内容の深度を図る問題が出題されました。大問2は基本的な問題ばかりですのでしっかり得点したいところです。大問3は一見やさしそうに見えますが、司法についての本質を理解していないと戸惑ったかもしれません。時事問題も含め幅広い知識を身につけましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算問題(3問)
大問2 小問集合(5問)
大問3 円とおうぎ形
大問4 速さと比
大問5 つるかめ算
大問6 割合と比の文章題
大問7 角柱の体積
大問8 水量変化とグラフ
大問9 不定方程式(いもづる算)

合格者平均点は例年7割前後ですが、今年度は77点と少し高めでした。大問3は例年通り、おうぎ形を組み合わせた面積の問題でした。大問6は条件が複雑なので表に数量関係をまとめるのがポイントです。大問8は例年出題されているグラフの問題でした。かたよりなくさまざまな単元から出題されます。苦手単元をつくらないよう、標準的な問題集を繰り返し演習しましょう。また、毎年同じような問題が出題されるので過去問題に取り組むことも対策になります。

国語

大問1 物語文(宮下奈都『アンデスの声』)

東洋英和女学院の国語は、物語文(随筆文)・説明文(論説文)の二題構成でしたが、今年度はなんと物語文一題のみの出題。過去問をやり込んでいた受験生は驚いたことでしょう。しかし、設問は従来の東洋英和女学院と同タイプ。ことばの意味をじっくり考えさせるものを中心としたオーソドックスな選択肢問題が中心です。記述問題は2問。特に問20は心情変化を書かせるもので、解答欄をみても多くの字数を要さなければいけません。合格者平均点は76点(100点満点)と高得点が求められています。

理科

大問1 消化について
大問2 溶解度
大問3 電磁石とコイルモーター
大問4 地震

合格者平均点は37.5点(62.5%)でした。大問2の溶解度の計算と大問3のコイルモーターについての問題で差がついたと予想されます。大問4は比較的典型的な地震に関する問題なので、ここでの失点は避けたいところです。日々の学習において、知識問題や典型問題での正答率を高める学習を心掛けてください。さらに、与えられた説明文やグラフから「何を問われて何を答えるのか」を考える習慣をつけましょう。

社会

大問1 社会史
大問2 サミットと現代社会
大問3 地図・地形図

今年度の小問数は33問で、一行程度の論述問題が8問出題されました。大問1は各時代の農民・農村の歴史です。基本知識が中心でしたので、確実に得点したい問題です。大問2は伊勢志摩サミットを題材に、現代の社会情勢が問われました。近年頻出の「M字カーブ」が出題されています。そして大問3は地図に関する問題で、日本海溝やハザードマップなども出題されました。本校の社会のテーマは多様です。幅広い知識を身につける意識を持ちましょう。

 

2016年

算数

大問1 計算問題(3問)
大問2 ⼩問集合(5問)
大問3 円とおうぎ形
大問4 倍数算
大問5 推理算
大問6 数列と数の性質
大問7 ⾓柱の体積
大問8 相当算
大問9 おもりと⽔量変化のグラフ
大問10 旅⼈算

合格者平均点は例年7割前後です。⼤問3は例年通り、おうぎ形を組み合わせた⾯積の問題でした。⼤問6は群数列の問題で平⽅数がポイントです。⼤問9は⼀昨年、昨年同様、グラフの問題でした。⼤問10は往復の旅⼈算でした。かたよりなくさまざまな単元から出題されます。苦⼿単元をつくらないよう、標準的な問題集を繰り返し演習させましょう。また、毎年同じような問題が出題されるので過去問題に取り組むことも対策になります。

国語

大問1 物語⽂(リュドミラ・ウリツカヤ『⼦供時代』)
大問2 説明⽂(永⽥弘太郎『⽇本の⼭はすごい!』)

今年度の合格者平均点は66.9点で例年と⽐較するとやや低めでした。⼤問1の物語⽂は昨年単⾏本として刊⾏されたロシア作家が書いたもの。遠くにある親戚の家に短期間預けられたセリョージャの孤独や葛藤、成⻑を描いています。ラストに切なさを覚えた⼈もいるでしょう。選択肢中⼼の問題構成です。⻑い選択肢に引っかからないようにしたいもの。⼤問2は「⽔」をテーマにした説明⽂です。設問はオーソドックスなものばかりで、⼤問1より取り組みやすいといえるでしょう。

理科

大問1 ⽔溶液の性質
大問2 ふりこ
大問3 ⽣態系・環境問題
大問4 冬の星座・⽉

⽣物分野の問題に特徴がある本校ですが、今年度はチンパンジーに関する知識などが⾒られた程度で、実験結果などから考察して答える形式の問題は⾒られませんでした。記述(今年度は3問)や作図(今年度は1問)の出題は例年通りです。⽇々の学習において、知識問題や典型問題での正答率を⾼める学習を⼼掛けてください。さらに、与えられた説明⽂やグラフから『何を問われて何を答えるのか』を考える習慣をつけましょう。

社会

大問1 歴史(交通史)
大問2 地理(産業)
大問3 公⺠(経済・財政)

⼊試問題の形態は例年通りでした。しかし、これまでも少なかった記号選択問題が今年度はわずか2問でした。まず⼤問1は交通をテーマにした歴史の問題。南満州鉄道の位置も問われました。そして⼤問2は各地の産業を題材にした地理の問題です。近年話題の「第六次産業」も出題されました。最後の⼤問3は財政問題中⼼の公⺠の出題でした。かなり細かな知識も必要ですので、参考書の隅々まで⽬配りしておくことが求められています。

おすすめの記事