鷗友学園女子中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算問題
大問2 割合と比(売買損益)
大問3 平面図形
大問4 立体図形(切断)
大問5 平面図形
大問6 速さとグラフ
大問7 規則性

昨年度より試験時間が50分から45分になりましたが、今年度は解答用紙の形式が縦向きのA3版となりました。大問数は例年通りの7題構成でした。受験者平均点は56. 2点、合格者平均点は68. 8点と、昨年度より平均点が上がりました。昨年度少し難化したことで、今年度は少し易化したようです。問題構成には大きな変化はありませんので、頻出の平面図形と比の問題やグラフの問題は様々対応できるようにトレーニングを積みましょう。

国語

大問1 物語文(佐藤まどか『アドリブ』)
大問2 説明文(稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』)
大問3 漢字の書き取り

合格者の平均点は77. 1点と昨年度よりも8点ほど上昇しました(昨年度の合格者平均点は69. 3点)。大問2の説明文は内容が比較的易しく、解答根拠が傍線部付近にあるものばかりでしたので、この部分が平均点を押し上げたもの と考えられます。本校の国語は記述問題が主ですが、小問数が少なく1問当たりの配点が高いことが特徴です。解答に必要な要素をきちんと盛り込み、それらをまとめ上げる訓練を繰り返し行っていきましょう。

理科

大問1 アゲハチョウの生活(さなぎの色彩決定)
大問2 ばねを利用した道具(マジックハンドなど)
大問3 中和反応
大問4 流水と地形(ユルストローム図/凝析)

合格者平均は 73. 4点で、ここ数年は高得点傾向にあります(昨年67. 3点,一昨年72. 0点)。昨年度から試験時間が50分→45分に短縮され、根気のいる図表の読み取り問題は近年減少傾向にあります。今年度は大問2でマジック ハンドのつくりを考える問題が出題されました。本校では例年、計算問題や論述問題が複数出題され、他校にはない意欲的な問題も見られますので、過去問演習を通じて形式に慣れておきましょう。

社会

大問1 地理総合(北陸地方)
大問2 大阪の歴史
大問3 民主主義について

3分野から大問1つずつの出題は例年通りです。小問数及び10問の論述問題も例年並みですが、今年度はやや易化しました。合格者平均点は7割を超えています。しかし、図表やグラフの読み取り、自分の意見を述べる問題など論述問題は質・量ともに難度が高くなっているので、過去問題を通じての事前の対策や類題の演習が欠かせません。本年は、「民主主義を後退させないために、国民や有権者ができること」を書かせる問題がありました。

 

2020年

算数

大問1 計算問題
大問2 割合と比
大問3 平面図形
大問4 等差数列
大問5 平面図形
大問6 立体図形
大問7 速さ

今年度より試験時間が50分から45分になりましたが、例年通りの大問7題構成でした。受験者平均点は55. 1点、合格者平均点は64. 6点と、昨年度(受験者平均点は57. 7点、合格者平均点は72. 2点)より合格者平均点が下がりました。スピード勝負の側面があったのではないかと思われます。平面図形と比の問題やグラフの問題は頻出ですので、難問にも対応できるようトレーニングを積む必要があります。

国語

大問1 物語文(如月かずさ『給食アンサンブル』)
大問2 論説文(渡辺一史『なぜ人は人と支え合うのか 「障害」から考える』)
大問3 漢字の書き取り

物語文と論説文という構成でした。読解問題はすべて記述式です。物語文は7ページにわたる長文です。昨年度は句会が舞台でしたが、今年度は百人一首大会でした。鑑賞に関わる問題はなく、登場人物の心情把握のみでした。論説文は「障害」は社会制度が整うことで障害ではなくなるという趣旨の文章です。全体を要約する、要点をまとめるといった記述対策を重ねていきましょう。

理科

大問1 植物の受粉
大問2 液体や気体による浮力
大問3 塩酸と石灰石・亜鉛の反応
大問4 地層と化石

合格者平均は67. 3点で、ここ数年は高得点傾向にあります(昨年72. 0点,一昨年67. 9点)。昨年度から根気のいる図表の読み取り問題は減少しました。さらに今年度からは試験時間が50分→45分に短縮されたため、生物分野からの出題が例年になくあっさりとしていたように感じます。しかし、計算問題や論述問題のウエイトは例年並みであり、他校に見られない出題傾向は健在ですので、過去問演習通じて分量と難度に慣れておきましょう。

社会

大問1 地理総合(高知県)
大問2 歴史総合(元号)
大問3 公民総合(高齢社会)

試験時間が5分短縮された影響か、小問数はやや減少しましたが、論述問題は昨年度同様に8問でした。論述問題は例年通り難度が高く、覚えた知識の理解力や考える力、また設問にある条件を正しく使うことなどを求められるため、過去問題に取り組む等々の充分な対策が必要です。短答式はそれほど難しくありませんが、配点が高く、設問や選択肢をよく読まないと間違えるようになっているため、注意を要します。時間内に解き終わる分量ですが、ゆとりは感じられないでしょう。

 

2019年

算数

大問1 計算問題
大問2 倍数・約数
大問3 場合の数
大問4 平面図形
大問5 立体図形
大問6 ニュートン算
大問7 速さとグラフ

受験者平均点は57. 7点、合格者平均点は72. 2点と、昨年度(受験者平均点47. 9点、合格者平均点56. 7点)より大幅に易化しました。これは、例年難易度の高い問題が出題される平面図形やグラフの問題が、今年度は本校を目指して訓練をしてきた受験生にとっては与しやすい問題であったことが影響していると考えられます。難易度がどうあれ、平面図形と比の問題やグラフの問題は頻出ですので、トレーニングを積む必要があります。

国語

大問1 物語文(森埜こみち『わたしの空と五・七・五』)
大問2 論説文(鴻巣由季子『翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる』)

今年度は物語文と論説文という構成でした。読解問題はすべて記述式です。物語文は10ページにも及ぶ長文です。句会に参加した主人公の話です。俳句が多く登場しますから、戸惑った受験生も多かったと思われます。俳句の鑑賞文を書く問題がありましたが、心情把握の範疇でした。論説文は「翻訳とは何か」というテーマの文章です。過去問題に取り組み、全体の要約から細部に至る説明ができるよう、記述対策を重ねていきましょう。

理科

大問1 月の満ち欠けと皆既月食
大問2 音の伝わり方
大問3 溶解熱の計算
大問4 カマドウマとハリガネムシ・食物連鎖

合格者平均は72. 0点で、ここ数年は上昇傾向です(昨年度67. 9点,一昨年度54. 9点)。必ずしも問題が易化しているわけではなく、受験生のレベルが上がっていることも原因と考えられます。試験時間は50分と長く、分量が多いので手際良く解く必要があります。過去問題演習が有効な対策です。他校では見られない出題傾向に慣れるとともに、記述問題や計算問題は添削を通じて自分で正解を作成する訓練を積み重ねましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史総合
大問3 候補者男女均等法

出題構成は例年通り、小問数34問、うち論述問題8問もそれぞれ例年並みの分量です。合格者平均点は68. 5点で、やや易化しました。短答式の解答は標準レベルでしたが、論述問題は難度が高く、用語の説明よりも図や資料を説明する型が多いのが本校の特徴です。例えば、今年度は「城下町の絵図に描かれた道の一部が直線ではない」理由を説明する設問などがありました。資料を読み取り、条件付きで意見を書かせる論述問題も本校の定番です。入念な対策が必要です。

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