慶應義塾普通部の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算問題
大問2 平面図形
大問3 平面図形
大問4 過不足算
大問5 場合の数
大問6 立体図形
大問7 最小公倍数(発車時刻)
大問8 速さ
大問9 場合の数
大問10 立体の切断

昨年度と同様、大問10題構成でした。標準的な問題が中心ですが、試験時間が40分、かつ解答形式が全問記述式であることを考えると、テンポよく解き進めていくことが求められます。まずは問題の取捨選択を行い、確実に解ける問題から手 早く解き進めることが重要です。過去問演習では、解答を記述する練習を積むと同時に、時間配分に失敗しないようにス ピード感を身につけることを意識しましょう。

国語

大問1 物語文(青山七恵『ハッチとマーロウ』)
大問2 随筆文(長坂道子『旅に出たナツメヤシ』)
大問3 説明文(本川達雄『ウニはすごい バッタもすごい』)
大問4 漢字の読みと書き

例年通りの出題構成です。大問1は自分は大人なのだという自負と実際はまだ子どもであるというギャップを実感したときの主人公の心情を把握する問題でした。大問2は祖母との思い出、大問3は昆虫の幼虫時代が長く、成虫時代が短い理由を説明した文章でした。記述問題は3問で、最大でも35字と短文です。選択問題や抜き出し問題を正確に解けるように練習を重ねることが先決です。

理科

大問1 実験や観察について(記号選択問題)
大問2 実験や観察について(記号並び替え問題)
大問3 貝を題材とした総合問題
大問4 水圧の実験
大問5 動物園にいる動物について

生物分野の出題に特徴のある本校ですが、今年度は大問3で貝の入水管と出水管、大問5でキリンの銅とパンダの顔の模様を作図させる問題が見られました。また、貝のみそ汁を作る手順(砂抜き)についての問題はいかにも普通部らしさを感じます。日ごろから図鑑などに目を通し、動植物に関する知識を増やしましょう。また、家事の手伝いをすることや身 の回りの物事に目を向けて、疑問は自ら調べるような学習を心がけてください。

社会

大問1 カタカナ用語
大問2 東北地方太平洋側
大問3 関東地方・中部地方・近畿地方
大問4 輸送手段・通信の歴史
大問5 人と動物の歴史
大問6 選挙・間接民主制

今年度は小問が50問以上ありますが、リード文など設問の分量がそれほど多くはないので、時間的な厳しさを感じることはないでしょう。短文論述は少なく、基本的に選択式か用語記述問題となっています。一般常識を問う出題は今年度にも見られました(干支に関する問題)。ある分野を深く掘り下げるというよりも、社会におけるさまざまな知識を幅広く身につけておく姿勢が求められます。高得点勝負を覚悟して、勉強に取り組みましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算問題
大問2 整数問題
大問3 規則性
大問4 やり取り算
大問5 流水算
大問6 双三角すいの展開図
大問7 カード並べ
大問8 三角形の面積
大問9 ものさしの目盛り
大問10 円とおうぎ形、三角形の面積

ここ数年は大問数が9題もしくは10題のいずれかでしたが、今年度は10題構成でした。標準問題中心の出題ですが、解答用紙が記述式で試験時間の割に問題数が多いため、大問1題あたりにかけられる時間は3〜4分程度しかありません。問題の取捨選択を行い、すぐに解けそうな問題から解き進めていくことが大切です。過去問演習を繰り 返し行って、すべての問題を解くために必要なスピード感を養いましょう。

国語

大問1 物語文(藤原正彦『ヒコベエ』)
大問2 随筆文(岸本佐知子『なんらかの事情』)
大問3 随筆文(江國香織『とるにたらないもの』)
大問4 漢字の読みと書き

大問1は自伝的小説です。大問2の随筆文は1ページほど、大問3はとても半ページほどの短い文章でした記述問題は3問で、最大でも30字です。端的にまとめあげる練習が必要です。あとは選択問題と抜き出し問題です。正確な読み取りと、抜き出し問題の練習を積み重ねていきましょう。試験時間が40分と短いので、迷っている暇はありません。韻文が出題される可能性もあるので対策は欠かせません。

理科

大問1 水溶液の性質・気体の性質と発生量
大問2 マメ科植物
大問3 昆虫
大問4 月のようす

生物分野の出題に特徴のある本校ですが、今年度は大問2でマメ科、大問3で昆虫の細かい知識が問われました。「カラスノエンドウの葉」や「ナナホシテントウの背中のもよう」を描かせたり、「ゴキブリがヒトの住む場所に好んで住む理由」を記述させる問題なども出題されています。日ごろから図鑑などに目を通し、動植物に関する知識を増やしましょう。また、家事の手伝いをすることや身の回りの物事に目を向けて、疑問は自ら調べるような学習を心がけてください。

社会

大問1 中国地方
大問2 世界遺産
大問3 江戸時代
大問4 歴史上の人物
大問5 日本国憲法・時事問題

試験時間30分に対して小問は46問です。短文論述2問以外は短答式の用語記述問題が中心です。解答自体は難しくない問題でも問われ方に工夫がされており、単なる暗記だけではなく応用力が求められる試験です。一般常識や社会的な出来事、社会情勢なども含めた幅広い知識が必要とされるのでそれらを貪欲に吸収するとともに、本校の過去問題だけではなくさまざまな形式の問題に触れることで定着させた知識の使い方、設問の問われ方に慣れておくと良いでしょう。

 

2016年

算数

大問1 計算
大問2 ⽐の⽂章題
大問3 ダイヤグラム
大問4 場合の数
大問5 推理
大問6 平⾯図形
大問7 数の性質
大問8 ⽅眼紙上の図形の求積
大問9 回転体の体積

試験時間40分、⼤問は9題と昨年より1題減少し、⼀昨年の構成に戻りました。難しい問題はなく標準的な問題で構成されていますが、解答⽤紙が記述式で時間の割に問題が多い(⼤問1題あたりにかけられる時間は4分程度)ので、問題の取捨選択を⾏い、解ける問題で着実に得点を重ねていくことが⼤切です。過去問対策を⼗分におこない、時間の感覚を養うことが肝要です。

国語

大問1 詩(⼯藤直⼦「けっしん」『なんとなく・⻘空』)
大問2 物語⽂(バーバラ・オコーナー『スモーキー⼭脈からの⼿紙』)
大問3 随筆⽂(毎⽇新聞 平成⼗⼋年⼗⽉⼗七⽇ ⼣刊)
大問4 漢字の書き取り

昨年はなかった詩が出題されています。韻⽂の出題はいつも意識しておきたいところです。知識などは⼀切問われず、読解のみです。随筆⽂はとても短い⽂章で、選択肢と抜き出しのみでした。物語⽂は海外作品で、設問は13問。記述問題は2問、抜き出しは2問、残りは全て選択肢でした。試験時間が40分と短いので、迷っている暇はありません。正確な読み取りと、抜き出し問題の練習を積み重ねていきましょう。

理科

大問1 ウメについて
大問2 ⽔溶液の推定問題
大問3 富⼠⼭について
大問4 浮⼒

⽣物分野の出題に特徴のある本校ですが、今年度は⼤問1でウメについての細かい知識が問われ、梅⼲しのつくり⽅についての問題も⾒られました。⼤問3は⽕⼭に関する基本知識から地質図の読み取りまで、幅広い内容が出題されています。⽇ごろから図鑑などに⽬を通し、動植物に関する知識を増やしましょう。また、家事の⼿伝いをすることや⾝の回りの物事に⽬を向けて、疑問は⾃ら調べるような学習を⼼がけてください。

社会

大問1 地理総合(⽇本の海岸線)
大問2 南⻄諸島
大問3 歴史総合(福沢諭吉著『条約⼗⼀国記』より)
大問4 歴史総合(⽇本⼈のお辞儀と歴史)
大問5 公⺠総合(「集団」が表す意味)
大問6 公⺠総合(標識・マークが表す意味)

⽤語記述問題が半数を占め、短⽂論述問題も出題されるので、知識の正確な定着と書く⼒が⽋かせません。さらに、今年度の⼤問1(海岸線と都府県境の⽩地図)のように地理分野においては応⽤⼒が求められる出題が続いています。また、地理では世界地理も必要になるので、地図帳を眺める、活⽤する習慣をつけてください。公⺠分野では、2年連続で⽇常⽣活に関わる問題、⽤語の意味を答えさせる問題(今年度は「集団」について)が出題されました。

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