武蔵中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 小問(食塩水・面積比)
大問2 通過算
大問3 和と差に関する問題
大問4 規則性

平均点は合格者68.1点・受験者46.3点でした。昨年度よりも易化しましたが、平均点の差を見ると例年以上に算数の出来が合否を分けたと思われます(国社での出題ミスの影響もあるでしょう)。大問4の後半は歯ごたえのある問題でした。本校を目指す受験生は、日ごろから1問1問に対して粘り強く取り組み、問題をよく読み理解し、納得できるまで諦めない姿勢が重要です。小手先のテクニックに頼らず、頭を使ってじっくり取り組む算数大好きっ子を目指しましょう。

国語

大問1 説明文(石黒浩 出典不明)

物語文出題の多い武蔵ですが、今年度は3年ぶりに説明文の読解問題が出題されました。マツコロイド開発などで知られる気鋭のロボット工学者・石黒浩の文章が題材になっています。筆者はロボットの考察を通じて人間とは何かを追究していて、興味深く読めた受験生が多かったのではないでしょうか。記述問題もオーソドックスなものばかりで、設問の条件をしっかり読み込み、構成に気をつけながら丁寧に書いていけば合格点に到達できるでしょう。

理科

大問1 水溶液の性質
大問2 空気でっぽう
大問3 身近な動植物
大問4 チャックのしくみ

合格者平均点は36.5点(60.8%)です。本校定番のお土産問題は「透明なチャック(チャック付ポリ袋のチャック部分)」を虫眼鏡で観察し、気付いたことを記述するという内容でした。今年はグラフを描かせる問題はなく、一昨年までの出題傾向に戻りました。また、「すべて選びなさい」という問いが増えたことは特筆すべき点でしょう。身近なものに目を向けて、本質をつかむまで追究すると同時に、発見できた事象を他者に伝える表現力を磨き上げましょう。

社会

大問1 銅の歴史

今年度は「銅」をテーマにしたリード文に沿って、江戸時代~現代の社会状況を問う問題が出題されました。合計7問の小問に取り組んでいきます(うち5問が字数制限のない自由記述形式の論述問題)。問7の、銅線を必要とする技術の具体例を挙げ、その技術の普及がもたらした社会・経済の変化を論じる問題は、身の回りの物事にどれだけ関心をもって接しているかが問われていました。過去問題を十分に研究することが求められる学校です。

 

2017年

算数

大問1 割合・整数の利用
大問2 相似な図形
大問3 速さ・規則性
大問4 数の性質

受験者平均点は40.4点、合格者平均点は54.9点でした。昨年より大幅に平均点が下がりました。大問4は題意を正確に読み取れたかが勝負を分けました。勘違いしたことで大量失点につながり涙をのんだ受験生も多かったでしょう。本校を目指す受験生は、日ごろから1問1問に対して粘り強く取り組み、問題をよく読み理解し、納得できるまであきらめない姿勢が重要です。小手先のテクニックに頼らず、頭を使ってじっくり取り組む、負けず嫌いな算数大好きっ子を目指しましょう。

国語

大問1 佐川光晴『大きくなる日』

昨年度は井上ひさしの有名な物語文(多くの中学入試でそれまで出題)でしたが、今年度は2016年4月に刊行されたばかりの佐川光晴『大きくなる日』から出題されました(この作品は他校でも多く出題)。問5の問題は武蔵には珍しく解答欄付き。この問題が武蔵の求める記述量の目安になります。問題としては「家系図」を埋めるという独創的なものもありましたが、あとは登場人物の心情を丁寧に読み取るというオーソドックスなものばかりです。

理科

大問1 水のあたたまり方
大問2 地層の観察
大問3 全ねじと半ねじの比較

受験者平均点は34.2点(57.0%)、合格者平均点は38.5点(64.2%)。本校定番のお土産問題は「全ねじと半ねじ」でした。ねじは過去にも出題された問題です。対策できていた受験生には有利だったでしょう。側面が全てねじになっているものを全ねじ、側面の一部がねじになっているものを半ねじと言うそうです。今年はグラフを描かせる問題など、例年よりバリエーションが豊富でしたが、基本は変わりません。身近なものに目を向けて、本質をつかむまで追究しましょう。

社会

大問1 塩の歴史

今年度のテーマは「塩」でした。この「塩」を説明したリード文と写真資料2枚、この1世紀間の需要量と供給量のグラフを読み取って、計9問の小問に挑戦します(うち7問が論述問題)。もっとも解答欄の大きな小問は、昔ながらの塩づくりや塩田を残していくことの社会的な意義を答える問題です。リード文の結論部をよく読んで、これからの人間と環境の関わり方について書くことが求められています。過去問題に真摯に取り組むことがもっとも重要な学校です。

 

2016年

算数

大問1 公約数と公倍数・相似な図形
大問2 ⾷塩⽔のやりとり
大問3 速さ
大問4 調べ上げの問題

受験者平均点は48.6点、合格者平均点は68.1点でした。⼤問4はゲームを模した問題でした。特別な知識を必要としない問題ですので、ルールが理解できれば3年⽣・4年⽣でもチャレンジできます。ぜひ⼀回挑戦してみてください。本校を⽬指す受験⽣は、⽇ごろから1問1問に対して粘り強く取り組み、納得できるまであきらめない姿勢が重要です。⼩⼿先のテクニックに頼らず、頭を使ってじっくり取り組む、負けず嫌いな算数⼤好きっ⼦を⽬指しましょう。

国語

大問1 物語⽂(井上ひさし『あくる朝の蝉』)

今年度の物語⽂を⼀読して「読んだことがある」と思った受験⽣が多かったでしょう。平成22年度の早稲⽥、平成23年度の⿇布でもほぼ同範囲が出題されていたからです。また、⿇布と似通った設問が幾つかあります(特に⿇布での問13と武蔵の問5、⿇布の問8と武蔵の問4)。読みやすい物語⽂ではありますが、武蔵の担当教員によると「こちらが考えたほど全体的に得点できていなかった」とのこと。⽐喩や暗⽰がテーマの問1・2・5で差がついたように思われます。

理科

大問1 クレーンのつり合い
大問2 クモの巣の作り⽅
大問3 星座早⾒の利⽤と観察

受験者平均点は34.3点(57.2%)、合格者平均点は39.1点(65.2%)。本校定番のお⼟産問題は「星座早⾒」でした。紙に印刷された星座盤とフィルムに印刷された地平盤を組み合わせて使⽤し、質問に答えていく形式でしたが、珍しい出題形式でしたので⾯⾷らった受験⽣も多かったかと思います。しかしながら、形式は違えど、求められている事柄は例年通りです。⾝近なものに⽬を向けて、疑問に思うことはそのままにせず、本質をつかむまで追究するという勉強を進めていきましょう。

社会

大問1 公⺠(総合)

今年度のテーマは憲法と⺠主主義。明治期の思想家植⽊枝盛の憲法案(東洋⼤⽇本国国憲按)や、昨今の投票率の低下問題が取り上げられました。知識を答えさせる問題は4問、論述問題は8問の出題です。資料・表・グラフの読み取りとともに、投票率の低下という現今の課題に対する受験⽣なりの答えを求めてくるあたりは、本校ならではの出題です。⾃分の考えを端的にまとめる要約⼒も問われている良問でした。

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