早稲田中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 数量小問集合(3問)
大問2 図形小問集合(3問)
大問3 割合の文章題
大問4 通過算
大問5 直角三角形の折り返し

受験者平均点23.0点(38.5%)、合格者平均点33.1点(55.1%)でした。昨年度より平均点が下がり、難化したといえるでしょう。大問4の通過算は車両と連結部分の長さを考えさせる問題で、多くの受験生が戸惑ったことでしょう。毎年、図形の問題が多く出題されますので、角度、平面図形、立体図形の演習を多く積みましょう。また、総合力をつけるためにや や難しめの問題集をていねいに1冊仕上げることが必要です。

国語

大問1 物語文(妹尾河童『少年H』下巻)
大問2 論説文(苫野一徳『勉強するのは何のため?僕らの「答え」のつくり方』

早稲田の国語はB4用紙5枚分の文章を読み、あらゆるタイプの設問に答える形式となっています。記述問題は一見書きやすそうに見えますが、必要な表現を適切に選んでまとめることが必要とされます。解答根拠も傍線部から離れた場所にあることが多く、一筋縄ではいきません。目立った問題としては、大問2の意味段落の構成を選ぶ問題です。論説文を読む際の基本姿勢を問う問題です。知識力・文章の精読力・記述力向上のため、地道な訓練を積むことが本校合格へのカギです。

理科

大問1 棒や平面のつり合い
大問2 食物連鎖と生態系
大問3 混合物の分離実験(定性分析)
大問4 海陸風と季節風

合格者平均点は30.2点(75.5%)と例年よりも高得点勝負となりました。全体を通じて平易な問題が多く見られましたが、大問1の平面のつり合いは解法を身に付けているかどうかで差がついたでしょう。本校の理科は、基本的な問題でしっかりと得点を重ねた上で、思考力やテクニックを必要とする問題でどれだけ正解できるかが成否を分けます。各分野の基本事項を確実に身につけた上で、読解力・思考力を高めていきましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 戦い・政変の歴史
大問3 日本国憲法

今年度も各分野から大問1題ずつの構成でした。小問数は昨年度より10問ほど増加していますが、得点に大きな影響を与えるほどではありません。合格者の平均得点率69%は昨年度とほぼ同じです。一部とても細かい知識が出題されていますが、ほとんどは事柄の本質を正確に捉えているかどうかを問う高いレベルの問題です。今年度も世界地理の出題はありませんでした。幅広い知識だけではなく、事柄を理解する姿勢を忘れずに学習に取り組みましょう。

 

2017年

算数

大問1 小問集合(文章題)
大問2 小問集合(図形)
大問3 時計に関する問題
大問4 場合の数
大問5 図形の転がり

受験者平均点は23.6点(39.3%)合格者平均点は31.1点(51.8%)でした。昨年より大幅に平均点が下がりました。難しく感じた受験生が多かったのではないでしょうか。平均点を考えると、今年は大問1・2の小問6問の成否が勝負の分かれ目になったと思われます。本校の小問集合を得点するにはしっかりとした実力が必要です。基礎の徹底だけでは対応が効かない場合が多いでしょう。ワンランク上の学習を丁寧に仕上げる真面目さが求められます。

国語

大問1 物語文(伊坂幸太郎『ガソリン生活』)
大問2 論説文(鷲田清一『何のために「学ぶ」のか』)

合格者平均点は33.1点(昨年度は40.2点)で最近の易化傾向から一転、難度が上昇しました。大問1の物語文は自家用車の視点から描かれていることが途中でわかる設定で、戸惑った受験生も多かったでしょう。大問2は「答え」のない「問い」に立ち向かうために必要なことが述べられています。設問では正解数に指定のない選択問題が出題されるなど、昨今の大学入試改革をやや意識した問題構成でした。普段の学習から語彙力と文章の精読力に力を注ぎましょう。

理科

大問1 昆虫
大問2 電磁石
大問3 鉄の燃焼
大問4 月と星

合格者平均点は26.7点(66.8%)です。大問4には2016年5月の火星の最接近を切り口とした問題も見られました。全体を通じて、早稲田合格を目指して訓練してきた受験生には比較的平易な問題が多かったのではないでしょうか。本校の理科は、基本的な問題でしっかりと得点を重ねた上で、思考力を必要とする問題でどれだけ正解できるかが成否を分けます。各分野の基本事項を確実に身につけた上で、読解力・思考力を高めていきましょう。

社会

大問1 地理総合(日本のすがた・都道府県)
大問2 歴史総合(日朝関係史)
大問3 公民総合(国民の祝日)

各分野から大問1題ずつの出題は昨年度と同様です。例年見られる世界地理の出題が今年度はありませんでした。試験時間30分に対して小問は26問ですが、複数の解答を合わせて完答という形式が6問あるため、慎重な対応が求められます。短文論述は1問のみ、本校は知識を幅広く問う傾向にあります。基本的な問題も出題されますが全体的に難度は高い構成です。さまざまな形式の問題演習を通して、また日頃の学習において積極的に周辺知識までも吸収する貪欲な姿勢が必要です。

 

2016年

算数

大問1 ⼩問集合(時間の単位計算・割合・通過算)
大問2 ⼩問集合(図形)
大問3 ニュートン算
大問4 カードの並べ⽅
大問5 ⽴体図形の切断と展開図

受験者平均点は33.5点(56%)合格者平均点は42.1点(70%)でした。昨年度より合格平均点が上がっていて、例年並みの難しさといえるでしょう。⼤問3はニュートン算(典型的な問題)は確実に得点したいです。⼤問4・5の(2)(3)の成否が合否の分かれ⽬でしょう。毎年、図形の問題が多く出題されますので、⾓度、平⾯図形、⽴体図形の演習を多く積みましょう。また、総合⼒をつけるために標準よりやや難しめの問題集をていねいに1冊仕上げることが必要です。

国語

大問1 物語⽂(草野たき『リリース』)
大問2 ⼤問2 論説⽂(⽇⾼敏隆『世界を、こんなふうに⾒てごらん』)

合格者平均点は40.2点(昨年度は37.0点)でした。記述問題の分量が例年並みの量に戻ったこと、⽂章内容が易しかったことなどからやや合格者の平均点は上昇しました。⼤問1は、家族や中学校の仲間とのふれあいを通じた主⼈公の成⻑物語です。問4の記述問題は設問内容の読み取りがポイントでした。⼤問2は、科学的態度と⼈間の⽣き⽅についての論説⽂です。本⽂と設問をきちんと読むという当たり前の学習姿勢が、合否のポイントとなったでしょう。

理科

大問1 ⼈体総合
大問2 地層
大問3 ふりこ
大問4 物質の推定問題

合格者平均点(得点率)は28.5点(71.3%)と⾼得点勝負となりました。字数制限のある記述が2問、グラフの作図が1問出題されています。受験⽣が⼀度は⽬にしたことのある問題が多かったため、解きやすく感じたかもしれません。基本的な問題でしっかりと得点を重ねた上で、思考⼒を必要とする問題でどれだけ正解できるかが成否を分けます。各分野の基本事項を⾝につけた上で、読解⼒・思考⼒を⾼めていきましょう。

社会

大問1 地理総合(世界遺産)
大問2 歴史総合(戦後70年)
大問3 ⽇本国憲法

昨年度の⼤問2題構成から、⼆年前までの各分野で⼤問1題ずつの⼤問3題形式に戻り、世界地理も復活しました。五⽇市憲法や、世界遺産登録を申請中だった「⻑崎の教会群とキリスト教関連遺産」に関する出題のように豊富な知識量とその正確性が求められる難度の⾼い問題、設問からのヒントを読み取って考えさせる問題が今年度も並んでいます。通常の学習内容に加えてその周辺知識も併せて覚え、さらに様々なタイプの問題演習を通して貪欲に知識を増やしましょう。

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