「歴史」学習の入り口に活用できるライトな教材【不易と流行】

中学受験の社会は、「地理」「歴史」「公民」の3分野が基本で、近年ではこれに加えて「時事問題」の扱いが増えています。また、3分野を融合させてつくられる問題も増えているため、難度が上がってきたように感じています。受験生も大変です……。

「歴史」の学習が始まり、学習量・内容のレベルが上がる5年生

一般的に、中学受験の社会において「歴史」の学習を始めるのは5年生です。5年生は「地理」でも工業や貿易等々の学習をするので、社会の学習としては「踏ん張りどころ」と言えるでしょう。4年生と比べて、5年生の社会は学習量、内容ともにレベルが上がります。

そうした状況のなかでの「歴史」の学習ですが、驚くほどに興味のある派・ない派がくっきりと分かれます。そのため、保護者の方々としては地理の学習が進んでいる段階でも後々始まる歴史の学習を不安に感じ、なんとか少しずつでも歴史に触れられるようにしておこうと考えます。素敵な親心です。

「歴史」の入り口の定番、学習漫画

そこで、「お勉強」としてではなくできるだけライトな感覚で歴史に触れられる漫画を購入することが多いようです。なかにはDVD付もあったり、地図などの付録を充実させたりするなど出版社の工夫も見られますが、これがなかなか……現実は厳しい。

「日本の歴史」シリーズ

購入される歴史漫画としては、概ね以下のような「日本の歴史シリーズ」が選ばれます。

小学館「小学館版学習まんが 日本の歴史」

講談社「学習漫画 日本の歴史」

Gakken「DVD付 学研まんが NEW日本の歴史」

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Gakken
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集英社「学習まんが 日本の歴史」

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集英社
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KADOKAWA「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」

これらの漫画は、率直に言って大人が読んでも充分に面白く、また勉強にもなります。中学受験をターゲットにしているものもあり、情報量としては不足ないでしょう。

学習漫画の思わぬ落とし穴

しかし……しかしなんです。

果たして、歴史に興味のない小学生が最初からこれを読むでしょうか。タイトルを見てもお分かりの通り、これらは「学習漫画」なんですよね。つまり、漫画といえども「お勉強」で、苦手な子どもから見ると「参考書」と変わらないでしょう。情報量も多く、とてもライトな感覚では手に取れません。結果、子どもよりも大人がハマって楽しむことに……。

もっとも、これらの学習漫画はやはり充分にその存在価値は高く、6年生になって歴史の学習が進んだ後に読んでも得るものが多くあるので、「せっかく購入したのに……」とはならないはずです。大切に保管してください。

苦手な子には「歴史の入り口」のジャンルを変えてみる

では、苦手な子にとって歴史の入り口はどうしたらよいでしょうか。
手軽に始められるという意味では、やはり漫画は悪い選択肢ではありません。よって、ジャンルを変えてみてはどうでしょう。

「伝記」ものを1〜2冊読むことから始めてみる

例えば、「伝記」もの。こちらも「学習漫画」としてシリーズものがありますが、できれば最初は興味のある人物を一人か二人だけ選び、読んでみるのが良いでしょう。

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ポプラ社
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シリーズものは、心理的に「すべて読まないと」というプレッシャーが掛かりやすく、お手軽に始める感じではなくなってしまうようです。あくまでも歴史の入り口なので、1~2冊から始めるので充分です。

学習漫画以外の歴史・人物を扱った漫画も悪くない

また、学習漫画以外にも歴史人物を扱った漫画があり、こちらは漫画として楽しめる要素が強くなっていますが、歴史の入り口としては悪くありません。

「歴史の入り口」になる漫画2選

例えば、以下の2作品を紹介します。

  1. 「逃げ上手の若君」(ジャンプコミックス・集英社)
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    鎌倉幕府滅亡後の時代を扱っています。
    中学受験の勉強では取り上げない題材ではありますが、後醍醐天皇や足利尊氏など歴史上有名な人物も登場します。ハラハラドキドキ感を味わえる内容です。アニメも制作されています。
  2. 「おーい!竜馬」(ヤングサンデーコミックス・小学館)
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    いわずと知れた坂本龍馬を主人公とした物語。
    大人向けで、描写がリアルな場面もあるので要注意ではありますが、子どもでも楽しめます。幕末の複雑な政治の流れも知らずのうちに身につくはず…。

ライトな入り口としてテレビ番組も活用できる

最後に、漫画ではありませんがテレビ番組を一つだけ紹介します。テレビではあれば入り口としてはライトな感覚ですよね。大切なことは、子どもに「見なさい」と強要するのではなく、大人も一緒に楽しむことでしょう。是非一度、御覧になってみてください。意外な発見があるかも……。

★Eテレ 「偉人の年収 How much?」:毎週月曜19時30分~20時放送

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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