早稲田中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 小問集合(数量)
大問2 小問集合(図形)
大問3 場合の数(完全順列)
大問4 点の移動
大問5 円の転がり

出題傾向に変化はなく、問題条件をきちんと読み解いて情報を適切に処理していく能力と、自分の得点できる問題を探し出して確実に解ききる能力を求められます。本校の特徴として、図形の移動や変化を伴う問題が多く出てきますので、状況を自分で作図できる力をつけていきましょう。また、未知のテーマの大問であったとしても、前半の小問を誘導としてとらえ後半の大問でそれを活かして解く、といった発想も大切です。

国語

大問1 物語文(田辺聖子『夕ごはんたべた?』)
大問2 論説文(ロバート・キャンベル『コロナ後の世界を生きる 私たちの提言』)

例年と同様に、大問が2題、小問が15問という構成です。物語文の記述問題では「伏線」と「オチ」を理解し、その説明するという問題があります。論説文では40時という字数で文章の要約をしなければなりません。選択問題は、一つ一つがしっかりと悩ませられるものばかりです。シンプルな問題ながら、文章の本質が理解できているか確実に測ることができます。文章は短いので時間をじっくりとって根拠を明確にしながら解き進めましょう。

理科

大問1 振り子
大問2 植物の光合成について
大問3 マグネシウム・アルミニウムの酸化
大問4 地震

例年通り、物理・化学・生物・地学の4分野から出題されています。基本的な語句を問う問題はなく、横方向から見た断層の動きを上から見させる問題や、振り子の性質をブランコに応用するなど、学習した原理原則から理解できているかを問う問題が多く出題されています。各分野で計算問題が出題されていますので、化学反応・てこなどの各分野で出題されるような計算問題は広く理解しておく必要があります。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史上の人物
大問3 新紙幣

例年通り、3分野から大問1つずつの出題構成です。今年度は短文論述の出題はなく、すべて短答式・選択式でした。基本的に論述問題は少ない傾向にあります。出題内容は、今年度のように世界地理など難度の高いもの、標準 レベルの知識に関する正確な理解を問うものがあり、全体的に難度は高めです。合格者平均点は例年65%~70%あたりで、幅広い知識を身に付ける必要はありますが、標準レベルの知識の正確性を高めることがより重要です。

 

2020年

算数

大問1 数量小問集合(3問)
大問2 図形小問集合(3問)
大問3 場合の数(立体上の点の動き)
大問4 旅人算
大問5 立体の切断

出題傾向に変化はなく、問題条件をきちんと読み進めていき丁寧に情報を処理できるかを問われる入試となってい ます。大問3の場合の数は、小問を誘導としてとらえて、各頂点への移動の法則を導き出せるかが鍵でした。例年、移動や変化を伴う図形の問題がよく出題されますので、自分の力で作図できる力を養っておきましょう。自分の得点できる問題を見つけ出し、確実に得点していくといった、取捨選択する力も求められます。

国語

大問1 随筆文(安岡章太郎『愛犬物語』)
大問2 論説文(高木正勝『音楽が生まれる』)

例年と同じく、大問が2つ、小問が計15問前後という構成です。シンプルながらもその文章の本質をまとめる力を要求される問題が印象的です。大問1の問1で出題された記述問題では、情景を通して筆者が身近なものの死を受け入れるに至る過程が問われています。最初の問題ではありますが、全て読んだ上で、文章全体に漂う筆者の思いを丁寧にくみ取らなければなりません。細部に目を配るだけではなく、軸となる感情や主張を要約する訓練をしましょう。

理科

大問1 化石
大問2 溶解度
大問3 豆電球・発光ダイオード
大問4 花のつくりや受粉、実のでき方

全体を通じて、本校を目指して訓練してきた受験生には比較的平易な問題が多かったのではないでしょうか。本校の理科は、基本的な問題でしっかりと得点を重ねた上で、思考力を必要とする問題でどれだけ正解できるかが合否 を分けます。今年度の大問4に遺伝子に関する問題が出題されましたが、表から得られる情報を元にして考えることで十分正答できます。各分野の基本を確実に身につけた上で、読解力、思考力を高めていきましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 興福寺の歴史
大問3 議会制民主主義

三分野で大問一つずつの構成や、全体の小問数は例年並みです。論述問題は1問だけでした。短答式・選択式が中心の出題も例年と同じですが、複数の解答を合わせて正解にする完答式や、正しいものをすべて選べといった昨年度の出題形式とは異なり、今年度は一般的な出題形式に戻っています。そのため、難度の高い出題はあるものの、 合格者の平均得点率はこの6年間で一番高い数値です(70. 8%)。他校の過去問題など、さまざまな問題を解いて知識を増やしましょう。

 

2019年

算数

大問1 数量小問集合(3問)
大問2 図形小問集合(3問)
大問3 差集め算、数の性質の文章題
大問4 歩幅と歩数の旅人算
大問5 立体の切断

出題傾向に変化はありませんでした。大問4の旅人算は、歩数を用いて兄弟の速さの関係を比で表し、必要な情報を集めていく問題でした。誘導に沿い、適切に解き進めることが大切です。毎年、図形の問題が多く出題されますので、角度、平面図形、立体図形の演習を多く積みましょう。また、随所に難問がちりばめられているため、1つの問題に固執せず、解けそうな問題を取捨選択する能力も求められます。

国語

大問1 物語文(有川浩『明日の子供たち』)
大問2 論説文(森達也『たったひとつの「真実」なんてない』)

例年小問数が15問前後と少なく(解答数は20問弱)、その分じっくり考えさせる出題が多いというのが特徴です。その典型が今年度の大問2の記述問題です。「メディアが自覚すべきことと取り組むべきこと」をそれぞれ10字以上15字以内で答えさせるというこの問題は、本文全体をきちんと理解しているかどうかが問われるものとなっています。普段の勉強でも「何が書かれているのか」「何が問われているのか」などをしっかり考える習慣をつけましょう。

理科

大問1 食物連鎖
大問2 冬の大三角と火星
大問3 中和反応
大問4 てこと滑車

合格者平均点は25. 9点(64. 8%)で昨年度よりも下がりました。昨年度は平易な問題でしたので、一昨年度の難度に戻ったことが影響していると思われます。大問1、大問2の基本問題で得点を重ね、大問3、大問4の計算問題の出来が勝負を分けたのではないでしょうか。思考力や決まった解法を必要とする問題でどれだけ正解できるかが成否を分けます。各分野の基本事項を確実に身につけた上で、読解力・思考力を高めていきましょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 近代史(明治初年から150年)
大問3 内閣・行政

今年度も分野別に大問1題ずつの構成で、小問数は35問。世界地理が1問だけ出題されました。短文論述は2問、残りは短答式・選択式の問題ですが、複数の解答を合わせて正解という完答形式が4問、「すべて選びなさい」形式が2問あり、知識の正確性がより求められる内容です。合格者の平均得点率は62.5%で、昨年度よりはやや難化しました。グラフ・表の読み取りも必須なので、さまざまな演習を通じて得点力を上げる学習を意識しましょう。

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