渋谷教育学園渋谷中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 場合の数
大問3 立体図形(サイコロ)
大問4 水量変化とグラフ

今年度は本校で度々出題される重厚感のある問題も少なく、例年並みかやや易しめの印象です。大問3のサイコロを利用した思考力問題も、丁寧な作業(平面図利用)で正解ができます。また大問2の場合の数も「前の場合利用(フィボナッチ・トリボナッチ数列)と、多くの受験生が経験したことのある取り組みだったと思います。途中式を記述する問題もありますので、日ごろから「解き方」を記すことを習慣として、粘り強く作業する姿勢が大切です。

国語

大問1 物語文(関口尚『はとの神様』)
大問2 論説文(石川九楊『日本語の手さわり』)

例年通りの出題構成でした。大問1の物語文は『中学受験新演習6年上』にも収録されている文章でした。場面も重なっているので、容易に解けた受験生も多かったものと思われます。大問2の論説文は、文字が生まれたことにより「書きことば」「話しことば」という二通りの言葉が生まれたという歴史が書かれています。今年度は文章も読みやすく、比較的平易な問題が多いという印象です。これまで通り選択問題(五択)に対応できるよう演習を重ねていきましょう。

理科

大問1 ジャムに関する融合問題
大問2 災害に関する問題

小問数は15問と昨年度(13問)とほぼ同じです。平均点は合格者39. 7点、受験者35. 3点でした。いずれの大問も会話文を読みながら設問に答えていく形式で、大問1は分野横断の融合問題、大問2は8問中4問が計算問題です。本校を目指す受験生は、各分野の知識を根拠とともに説明できるようにしてください。その上で日ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、自ら導き出した結論を簡潔に表現できる力を養うことを心がけましょう。

社会

大問1 歴史(感染症の歴史)
大問2 総合問題(地理・歴史・公民)

大問数は昨年度の4題から2題に減りましたが、解答欄は43箇所あり分量的には変化ありません。論述問題は2行程度のものが2問、100字以内で説明するものが1問でした。いずれも与えられた表や写真をヒントにしてまとめる形式です。出題内容は地理・歴史・公民に時事内容をからめたものとなっており、中途半端は学習では通用しません。重要用語を正確に書けるようにするとともに、その説明も出来るようにすることが合格への最低条件です。

 

2020年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 点の移動
大問3 場合の数・点字
大問4 回転体

今年度は本校で度々出題されるトリッキーな問題も少なく、比較的解きやすい印象を感じました。近年の流行りを 反映した読解から入るタイプの場合の数が3番に出題されていたのも特徴的でした。本校の問題は一見すると難しくみえる問題もありますが、条件を丁寧に整理し、手間を惜しまず粘り強く作業をしていくことが重要です。途中式を記述する問題もありますので、日ごろから面倒な問題にも果敢に挑戦をし、諦めずに考える姿勢が求められます。

国語

大問1 物語文(星新一『城のなかの人』)
大問2 論説文(中島義道『哲学の教科書』)

例年通りの出題構成でした。大問1の物語文は豊臣秀頼の難しい立場を描いた歴史小説です。心情把握が中心です。記述問題は60字が1問(心情変化)のみです。大問2の論説文は、哲学とは何か理解するために科学と比較しながら論を進めていくという構成です。内容を理解するには相当な語彙とイメージ喚起力が必要です。記述問題は50字、60字の2問です。本校の合否を分けるのはやはり選択問題です。5択で非常に紛らわしいものが多いのが特徴です。選択問題の対策は必須です。

理科

大問1 視野について考察する問題
大問2 でんぷんの構造

大問は2題で昨年より1題減りましたが、小問数は13問と大きな変化はありませんでした。様々なデータ(説明文、表やグラフ)から考察していく出題傾向は健在です。資料を分析、考察するための材料となる基礎知識の定着が第一です。本校を目指す受験生は、まず基礎知識の定着をしっかりとはかり、その上で、日ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、自ら導き出した結論を簡潔に表現できる力を養うことを心がけましょう。

社会

大問1 公民(2019年参議院議員選挙)
大問2 歴史(外交史)
大問3 総合問題(時事・地理)
大問4 論述問題(日本の人口問題)

大問数はここ数年の3題から4題に増え、大問4には本格的な論述問題(100字以内)が登場しました。出題内容は地理・歴史・公民に時事内容をからめたものとなっており、中途半端は学習では通用しません。重要用語を正確に書けるようにするとともに、その説明も出来るようにすることが合格への最低条件です。その上で、現代社会で起こっている様々な問題について常に関心をもって接する姿勢が求められます。

 

2019年

算数

大問1 小問集合
大問2 立体の切断
大問3 数の性質
大問4 平面図形の移動

大問3の数の性質には戸惑った受験者も多くいたと思われますが、あとの部分は受験生なら誰しもどこかで見たことがあるという典型題が並びます。ただし、受験者によっては苦手にする分野からの設問が多く据えられているため、苦手分野を入試当日までにしっかり克服しておいたかどうかによって勝負が分かれます。苦手から逃げずに向かい合っていれば、「努力が報われるセット」になっているといえるでしょう。

国語

大問1 物語文(堀江敏幸『なずな』)
大問2 論説文(國分功一郎『中動態の世界― 意志と責任の考古学』)

例年通りの出題構成でした。大問1の物語文は子育てを通して主人公が感じたことが綴られています。心情把握が中心です。記述問題は90字が1問(心情変化)のみです。大問2の論説文は、「権力行使における能動と受動」について述べられた文章でした。内容を理解するには相当な語彙とイメージ喚起力が必要です記述問題は40字、80字の2問です。本校の合否を分けるのはやはり選択問題です。5択で非常に紛らわしいものが多いのが特徴です。選択問題の対策は必須です。

理科

大問1 ダンゴムシについて考察する問題
大問2 エネルギーについて考察する問題

例年通り大問は2題、小問は14問構成でした。大問1はダンゴムシをテーマにした設問で、過去に駒場東邦中学や東洋英和女学院でも出題されています。様々なデータ(説明文・表やグラフ)から考察していく出題傾向は健在です。対策として、資料を分析・考察するための材料となる基本知識の定着が第一です。その上で、日ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、自ら導き出した結論を簡潔に表現できる力を養うことを心がけていきましょう。

社会

大問1 「水」について
大問2 伊能忠敬と日本地図
大問3 「音楽」の歴史

大問ごとにテーマを設けて、その内容につき様々な角度から問うという構成は例年と変わりありません。論述問題の形式は字数制限のあるものや字数制限のない1行程度のものなど、バリエーションに富んでいます。世の中の出来事に対する幅広い関心と、細かい知識が必要とされる問題が多く、暗記中心の学習方法では通用しません。基本事項の定着を早期に行い、様々なタイプの応用問題に慣れていきましょう。

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