品川女子学院中等部の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 小問集合
大問4 図形の規則性
大問5 立体図形(水の体積)
大問6 バスの乗降人数

受験者平均点は58.1点、合格者平均点は72.2点と、高得点勝負となりました。例年通り、前半は計算問題が2問と、小問集合がそれぞれ5問、問という構成で、ここまでの11問の出来具合によって最終的な得点は大きく変わります。後半の大 問も含めて、全体的な難易度は高くありませんので、各単元の基本的な問題を繰り返し学習して、確実に解答できる力をつけましょう。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 知識(慣用句・ことわざなど)
大問3 随筆文(前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』)
大問4 物語文(森谷明子『南風吹く』)

今年度の本校の国語は受験者平均点57.4点、合格者平均点62.9点(100点満点)と、昨年度に引き続きやや難しい問題でした。記述問題数は昨年度と同じ6問です。大問1は中学入試では珍しい「旅行記」的な内容、ちょっとユーモアのある文章なのですいすい読めたことでしょう。大問2は「俳句甲子園」を目指す高校生たちの友情譚。登場人物の言動や心情にしっかり目を向けて問題を解かなければいけません。

理科

大問1 光・ジャガイモ
大問2 月の満ち欠け
大問3 原子・二酸化炭素

合格者平均点は40.1点で、昨年度とほぼ同様の結果となりました(昨年度は39.6点)。大問2の月の満ち欠けに関する典型的な問題、大問3は原子および二酸化炭素に関する問題でした。ともに会話文を読み、誘導にしたがって答える形式です。対策としては、まず基本的な知識を身につけ、その後、過去問演習を通して表や問題文を読み取って解く問題演習を積み重ねると良いでしょう。

社会

大問1 歴史総合
大問2 国際情勢
大問3 国際情勢

大問構成は各分野から1題ずつ、短文論述を数問含む小問もほぼ例年通りの出題数でした。出題内容は標準レベルで、地形図や歴史分野での地図問題が毎年出題されるなど傾向がはっきりしている部分もあります。短文論述も『四科のまとめ』レベルで充分に対応できます。用語の暗記だけでは通用しませんが、基本内容を確実に定着させ、過去問題などを活用して問題演習を行うことで対策ができます。身につけた知識を得点につなげる練習を積みましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合(和と差・割合・速さ)
大問3 小問集合(数・図形・場合の数)
大問4 相似な図形
大問5 速さ・規則性
大問6 条件整理

合格者平均点は66.1点でした。昨年度が66.5点でしたので、難易度の変化はほぼありませんでした。大問4・5は計算や考え方の過程を記述させる問題です。大問5の信号が等間隔に並ぶ道を走る速さの問題は、丁寧な処理が求められます。青信号の点灯する規則と車の位置の両方に意識を払いながら解いていきましょう。本校の算数は、基本的な問題集で演習を積み、オーソドックスな問題を確実に正解できる力を身につけることで対応できます。徹底的な演習を積みましょう。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 知識(慣用句・ことわざなど)
大問3 説明文(沼田英治『クマゼミから温暖化を考える』)
大問4 物語文(蓮見恭子『襷を、君に。』)

今年度の品川女子学院の国語は受験者平均点55.1点、合格者平均点60.0点(100点満点)と、昨年度に比べて難化しました。記述問題数は昨年度と同じ6問です。大問1は温暖化が昆虫に与える影響を説明した文章であり、この種の内容に苦手意識を持った受験生が多かったかもしれません。大問2は駅伝をめぐる人間関係を描いている物語文で、こちらは読みやすかったでしょう。しかし、登場人物の心情を丁寧に追いかけないと得点できません。

理科

大問1 地震、電磁石
大問2 水の状態変化と熱量
大問3 消化液と消化酵素

昨年度同様、大問3題構成で4分野から出題されています。合格者平均点も例年並みの40点前後でした。難問、奇問はなく、受験生にとっては比較的解きやすい問題で構成されています。大問2および大問3では、グラフを書かせる問題と記述問題が合計6問出題されています。対策としては、各分野の基本的な知識を偏りなくしっかりと身につけた上で、過去問演習を繰り返し行い、出題傾向に慣れていくとよいでしょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史総合(各時代の人物)
大問3 公民総合(選挙)

理社合わせて60分の試験時間に対して社会の小問は35問、今年も短文論述が4問出題されていますが時間に追われるようなことはないでしょう。出題構成も例年通りに各分野から1題ずつ、地理分野での地形図やグラフの読み取り、歴史分野での地図問題や年代の並べ替えなどお馴染みの問題が並んでいます。漢字指定も多くありますが、問われている知識は全体的に標準レベルです。論述問題の対策は、過去問題などを使って「自分が持っている知識を活用する」という練習を繰り返しましょう。

 

2016年

算数

大問1 計算問題(2問)
大問2 ⼩問集合(5問)
大問3 ⼩問集合(4問)
大問4 速さのダイヤグラム
大問5 図形の平⾏移動
大問6 規則性

合格者平均点は66.5点でした。昨年度が50.3点でしたので、随分と易しくなったと⾔えます。⼤問3は難易度の⾼い問題も含まれます。⼤問4・5・6は計算や考え⽅の過程を記述させる問題です。⼤問5の図形の平⾏移動は、作図をして相似を使い⾯積を求めるのがポイントです。標準的な問題集で演習を積み、苦⼿単元をなくすこと、計算⼒を強固なものにすることが対策になります。また、後半の記述の練習もしっかりとしていきましょう。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 慣⽤句・ことわざ・対義語・四字熟語
大問3 論説⽂(榎本博明『〈⾃分らしさ〉って何だろう?』)
大問4 物語⽂(額賀澪『ヒトリコ』)

論説⽂、物語⽂ともに昨年刊⾏されたばかりの作品です。⼤問4の『ヒトリコ』は市川中学校でも出題されました。記述問題が6問と多く、かつ2題とも⽂章量があるため⼀⾒⼿強そうに感じられます。しかし、受験者平均点69.7点、合格者平均点は75.8点と⾼く、さほど厳しい採点がおこなわれていないことが分かります。⽂中を拠り所にして「とにかく書く」という姿勢が必要でしょう。

理科

大問1 気象(湿度)・⼈体(消化)
大問2 ばね
大問3 ⾦属の性質

合格者平均点は39.6点で、昨年度とほぼ同様の結果となりました(昨年度は40.2点)。⼤問2はばねの伸びの実験(誤差が⽣じる)に関する問題、⼤問3は⾦属のとけやすさ・トタンとブリキのさびやすさの違いについての出題がありました。⼤問2・3ともに問題⽂の誘導にしたがって答える形式です。対策としては、基本的な知識を⾝につけ、表や問題⽂から読み取りをする練習を積み重ねると良いでしょう。

社会

大問1 地理総合
大問2 歴史総合(⽇本における宗教の歴史)
大問3 国会・選挙

今年も各分野から⼤問1題ずつの出題構成でした。地理では地図やグラフ、表の読み取り、歴史では地図上で場所を問う問題が今年も出題されています。また、短⽂論述問題も4問出題されており、⽤語・語句の単なる暗記だけでは解答できないようになっています。2年連続で合格者平均点が下がり、今年は36.7点(61.2%)となりましたが、全体的には標準レベルの出題が多いのが特徴です。基本事項を確実に定着させ、傾向に沿った対策をおこないましょう。

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