慶應義塾湘南藤沢中等部の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 小問集合(3問)
大問2 小問集合(3問)
大問3 規則性
大問4 平面図形(正六角形とおうぎ形)
大問5 容積と水の体積変化
大問6 流水算

 慶應3校の中では複雑な問題を出す学校でしたが、ここ数年は解きやすい問題も多く出題されるようになりました。大問3は三角数を応用して調べられるかがポイントです。大問4の正六角形と四分円を組み合わせた図形は見慣れない図形でしたので、戸惑った受験生もいたことでしょう。今年度は平易な問題で構成されていましたが、来年以降は難化することも予 想されます。問題の取捨選択を意識しながら、過去問演習を行いましょう。

国語

大問1 知識(植物に関する慣用句)
大問2 論説文(鷲田清一『悲鳴を上げる身体』)
大問3 物語文(小嶋陽太郎『ぼくのとなりにきみ』)
大問4 論述問題(小学校の教室を設計するときに工夫したい点とその理由)

知識と読解問題で小問数が18問、それに120字以内の論述問題を45分間で解答していく本校の国語は、時間配分が重要になります。大問2の問7っは、最終段落の結論と結びつことに気付けたかどうかがポイントでした。大問4の論述は、工夫したい点と理由をセットで答えなければならないことに注意です。過去問演習を十分に行って、効率的に問題処理をする訓 練を積みましょう。

理科

大問1 川原の石の大きさの調査
大問2 二又試験管による気体の発生
大問3 てこ
大問4 ヒトの体

選択問題が中心になっていますが、記述問題が3問、作図問題が2問出題されています。調査結果をまとめたグラフを読み解く問題や、記述されている実験方法に沿って解き進めていく問題が出題されているため、基本的な知識の習得だけでは対応ができません。本校を目指すにあたっては、知識事項をできるだけ早く習得してから、説明文や実験データをしっかりと読み取った上で問題と解き進めていく訓練が必要です。過去問題演習は必須です。

社会

大問1 工業(自動車)
大問2 交通
大問3 社会史(原始~古代)
大問4 政治史(中世)
大問5 歴史上の人物
大問6 国会・内閣
大問7 条約について

昨年度同様に大問が7題、小問数は41問でした。昨年度まで3年連続で出題されていた論述問題は、今年度は出題されませんでした。難問はそれほどないため、普段の学習から知識の定着度を確実に高めていく必要があります。例年時事問題の出題もある本校ですが、今年度は12月に受賞が発表されたノーベル平和賞についての問題が出されました。世の中の動向に常に関心を持つ姿勢も求められます。

 

2017年

算数

大問1 計算問題(2問)
大問2 小問集合(4問)
大問3 平面図形(直角二等辺三角形と半円の重なり)
大問4 規則性
大問5 立体図形(立体パズル)
大問6 旅人算

慶應3校の中では、もっとも複雑な問題を出す学校です。今年度も昨年同様、難度の高い問題が出題されましたが、解きやすい問題もあります。大問5は展開図を組み立て、その立体を組み合わせて直方体をつくる問題でした。完成図が想像できなくても問題の条件に合うように解答できたかがポイントです。大問6の旅人算は条件が複雑なので丁寧に解き進める必要があります。対策として過去問題を多くこなし、とるべき問題の取捨選択ができるように練習を積みましょう。

国語

大問1 知識(スポーツの試合をするエリア名を答える)
大問2 説明文(稲垣栄洋『身近な虫たちの華麗な生き方』)
大問3 物語文(辻村深月『家族シアター』)
大問4 論述問題(じゃんけんのやり方を説明する)

問題構成は例年通りでした。大問1の知識問題は、スポーツに関心の薄い受験生は戸惑ったかも知れません。大問2の説明文はアゲハチョウの生態に関する文章です(同著者の文章が学習院中等科でも出題)。大問3の物語文は、入試頻出作家からの出題(本年は洗足学園でも出題)で、傍線部から離れた場所を解答根拠とする設問が多いのが特徴です。論述はどれだけ具体的に書けたかがポイントです。45分という制限時間を上手く使う訓練を、過去問演習を通じて徹底しましょう。

理科

大問1 振り子
大問2 地球と月
大問3 上皿てんびん
大問4 メダカの生態

制限時間は25分、小問数は21問でした。記述問題は、短いものと時数の制限がないものが1問ずつ出題されました。昨年度に引き続き、全体的にオーソドックスな問題ばかり。基本的な問題での失点は命取りになるという、理科が苦手な受験生にとっては苦しい問題構成でした。本校を目指すにあたっては、徹底的な基礎のトレーニングと普段から説明文や実験データをしっかりと読み取る訓練が必要です。じっくりと考える習慣をつけるとともに、知識の精度を高めましょう。

社会

大問1 地形図
大問2 関東地方
大問3 文化史(中世)
大問4 歴史上の人物
大問5 日本の鉱物資源
大問6 労働・働き方
大問7 地球温暖化問題

今年度は大問が7題になり、小問数はほぼ例年と同じ40問、そのうち1問は字数制限(今年度は40字以内)のある論述問題です。論述問題はこれで3年連続の出題となりました。今年度は3年ぶりで地形図が出題されました。また、時事問題の出題もあり、加えて入試で頻出の「M字曲線」も見られました。知識の問われ方が工夫されているために問題が難しく感じられるかもしれませんが難問はそれほどなく、高得点勝負が予想されることを念頭に学 習を進めましょう。

 

2016年

算数

大問1 計算問題(2問)
大問2 ⼩問集合(3問)
大問3 点光源でできる正⽅形の板の影
大問4 おうぎ形の転がり
大問5 カードの並べ替え
大問6 規則性と割合の融合問題

慶應3校の中では、もっとも複雑な問題を出す学校です。⼀昨年は平易な問題が多く出題されましたが、今年度は昨年同様、難度の⾼い問題が出題されました。⼤問5は特定のカードに絞って調べ上げるのがポイントです。⼤問6は各時刻を整理して書き出して解く必要があり、(3)は解法の⽷⼝が⾒当たらず、多くの受験⽣が苦労したことでしょう。対策として過去問題を多くこなし、とるべき問題の取捨選択ができるように練習を積みましょう。

国語

大問1 熟語の知識
大問2 説明⽂(⻑⾕川眞理⼦『ヒトはなぜヒトになったか』)
大問3 物語⽂(杉本りえ『明⽇は海からやってくる』)
大問4 論述問題(⾃分が住む地域がどう変化するかを予測する)

問題構成は例年通りでした。⼤問2は⼈間の脳の発達の歴史を説明した⽂章です。問3の接続語や問7の指⽰語の問題は確実に得点したいところです。⼤問3は⼩さな島に転校してきた中学⽣の⼥の⼦と、地元の⼈々との交流を描いた⽂章です。⻑⽂なので、場⾯の変化をとらえながら⾟抱強く読むことが必要です。⼤問4の論述問題はまとまった時間を要する問題でした。45分という制限時間を上⼿く使う訓練を、過去問演習を通じて徹底しましょう。

理科

大問1 電熱線と⽔温の変化
大問2 ⽕⼭の活動
大問3 光合成の実験
大問4 酸素と⼆酸化炭素の発⽣

⼩問数は25問、記述問題は1問(25字以内)のみ。例年、⾒慣れないテーマからの出題がありますが、今年は影をひそめました。全体的にオーソドックスな問題でしたので、基本的な問題での失点は命取りになるという、理科が苦⼿な受験⽣にとっては苦しい問題構成でした。本校を⽬指すにあたっては、徹底的な基礎のトレーニングと普段から説明⽂や実験データをしっかりと読み取る訓練が必要です。じっくりと考える習慣をつけるとともに、知識の精度を⾼めましょう。

社会

大問1 地理総合(資源としての「⽔」について)
大問2 総合問題(都道府県とその歴史について)
大問3 外交史
大問4 歴史総合(江⼾時代の政治と経済)
大問5 現代社会の情報通信
大問6 国政選挙

全体の問題構成は例年通りです。歴史では、年代順の並べ替え問題がよく出題されます。公⺠分野では今年度も時事問題が出題されました。地理の統計数値の読み取りは頻出なので事前の対策が必要です。短⽂論述の問題は50字の字数制限つきで引き続き出題されましたが、地形図は2年続けて出題がありませんでした。全体的には難度が⾼くはなく⾼得点での勝負が予想されます。標準レベルの問題を確実に正答できる学⼒を⾝につけましょう。

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