甲府で興奮。「伸びる子」の習慣とは?【清水章弘・学びの旅】

皆さん、こんにちは。教育アドバイザーの清水章弘です。この連載では、私が全国をまわりながらみてきた教育現場の風景を、勉強アドバイスとともにお届けします。

新聞マニア、大興奮!

東京・新宿駅から、特急あずさで90分。山梨県甲府市が今日の出張先です。乗り物酔いをする私(電車でも酔います!いや何歳だよ……)は、基本的に車内のテンションが低めですが、今回は決定的に違いました。甲府に向かう新宿駅のホームで、あるものを見つけたからです。

それは……!地方紙。つまり、その地方中心に読まれている新聞です。

ふだん、私は全国紙を読んでいますが、出張中は地方紙にも目を通すことにしています。なぜかと言えば、東京にいると、東京中心の情報が多く入ってきて偏ってしまう気がするからです。せっかく出張でほかの地域にお邪魔しているわけですし、地方紙を通して、そこに住む方々の視点で、物事をみたいと思っています。もちろん、翌日の講演会のネタにすることも。

で、山梨の地方紙と言えば……山梨日日新聞!東京に住んでいたら、なかなか手にしませんよね。ついでに奇跡的に、そのキオスクで信濃毎日新聞も手に入ったので即買い。いやー、幸せ。地方紙は、いろんな地名が出てきて、地理や歴史の勉強になりますよ。旅行中はぜひ、ご家族で回し読みしてください。

あの「駿台」さんが運営する中高へ

そんなこんなで、あっという間に甲府駅。駅前のビジネスホテルに泊まり、タリーズで朝食を済ませ、お目当ての学校へ。その学校とは……駿台甲府学園さん。

「ん?駿台?予備校の駿台?」と思った方。そう、その通り。駿台さんは、中学・高校も運営しておられるのです。駿台の英語科の大重鎮・大島先生をはじめ、有名講師陣が講演や集中講義に訪れる、なんとも恵まれた中高。

私もひっそりと毎年お邪魔して、微力ながらお手伝いをさせていただいております。今年は入学直後の講演会。対象は中1と高1です。

刺激を欲している子もいたのでしょう。ピュアな中1の子達は、目の色を変えて聞いてくれていました。

で、面白かったのが高1。勉強が得意な子もいれば、スポーツ中心にやってきた子もいる。いろんな子が混じっている場合、やりにくいこともありますが、私は逆手にとって、楽しませてもらっています。たとえば、途中でワークショップ形式を入れました。

たくさん失敗している人だって、有利!

まず、みんなに問いかけます。「あなたは、どれくらい意志の弱い人間か」「ヨワヨワの面白エピソード、どれくらい持っているか」と。すると、スポーツ中心にやってきた子達は、堂々と「マジで弱いっすよ!俺!」「あたしにそれ聞いちゃう?すごいんだから!」という表情になる。

「じゃあ、失敗自慢をしてみて!武勇伝じゃなくて、逆武勇伝だよ!」と投げかける。武勇伝は成功事例ですが、今回はその逆。失敗事例なので「逆武勇伝」です。

隣同士で共有してもらうと、出るわ出るわの失敗談。テスト前日に10時間ゲームやりまくった話。ひたすらアイドルの推し活をしちゃった話。聞いていて気持ちがいいくらい、みんな自慢し合っていました。こういう時、突拍子もないエピソードを語れるのが、勉強が苦手な子達。「こんなに誘惑に弱いのも、私くらいでしょう」的な。

で、ここで考えてもらうのです。「みんな、次回の中間テストも同じ失敗しちゃいそうだよね?」もちろんですよ、とうなずく。じゃあ、その時にまた怒られるはず。その時の「いいわけ」を先回りしておこうよ、と。「いいわけ」を予想し、その原因をみんなでつぶしていこうということです。

みんなに話し合ってもらいました。どうすれば、同じ失敗をしないか。人それぞれの誘惑(ゲーム、スマホ、眠気、動画、推し活…)と、どのように付き合っていくのか。ひたすら作戦会議をしてもらいました。いやぁ、盛り上がった!

大切なのは、自分で「ルール・メイキング」をすること。

やらされる勉強ほど、つまらないものはありません。自分やまわりの失敗談をもとに、自分なりにルールを作り、実践をし続けていくことで、人は成長していくのです。

もちろん、私だって失敗をしまくりました。だからこそ、こうやって「勉強のやり方」にこだわっているのです。
え?どんな「逆武勇伝」があるかって?

高3でくらった、あの「往復●●●」、痛かったな……。おかしい、令和では黒塗りになっちゃう。言えない話ばかりですわ……。いつか直接聞いてください!

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