東京女学館中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 図形の移動
大問4 数の性質
大問5 平面図形
大問6 売買損益
大問7 ニュートン算

例年通り大問7題構成で、合格者平均点は72.5点となり昨年度より14.5点上がりました。本校の問題は基本〜標準レベルの典型問題が大半を占めます。取りこぼしをせずに得点を積み上げるために、まずは各単元の基本的な問題を繰り返し学習して解法を頭に入れることが必要です。その上で、過去問演習を通じてどの程度のペース配分で解くべきかの感覚を 養っていきましょう。

国語

大問1 論説文(亀田達也『モラルの起源』)
大問2 物語文(小嶋陽太郎『ぼくのとなりにきみ』)
大問3 説明文(出典不明)
大問4 知識問題(熟語・漢字の書き取りなど)

例年通り文章2題構成でしたが、今年度は変化が見られました。大問3にやや短めの説明文(おそらく学校教員が執筆したオリジナル)が加わったのです。このため、過去問に慣れている受験生は時間配分に苦労したことと思われます。この大問3では自由記述問題が盛り込まれたのも注目すべきポイントでしょう。また、例年2問出題された記述問題が今回は5問に増えたのも大きな変化です。来年度もこのスタイルを貫くのでしょうか。

理科

大問1 天体
大問2 水中の生物(メダカとミジンコ)の観察
大問3 食塩水の密度

平均点は合格者34.7点(69.4%)、受験者29.0点(58.0%)と公表されています。大問3題の構成で、物理分野からの出題はありませんでした。今年度は作図が出題されず、自由記述が昨年度同様2問出題されています。例年通り、計算問題(今年度は大問3)が合否を分ける問題だと思われます。対策としては、基礎知識の定着させたうえで、過去問演習を繰り返し行い、問題レベルやペース配分を掴むと良いでしょう。

社会

大問1 日本の人口と社会情勢
大問2 広島県

昨年度に引き続き、短文論述が8問出題されました。単なる用語や事柄の説明ではなく考えて解答をつくらなければいけない内容になっているので、解答作成の練習を事前に積む必要があります。今年度は小問数が減ったので昨年度よりも合格者平均点が高くなりましたが、この2年間で難度は上がっています。全体を通して、受験生の社会への関心度・問題意識を問う傾向を感じます。日頃から社会や世の中に目を向け、当事者意識を持ちましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 食塩水の濃度
大問4 立方体の切断
大問5 数表
大問6 円周上を回る円
大問7 ダイヤグラム

例年通りの問題構成でしたが、合格者平均点が昨年に比べて10点下がりました。大問4、6、7のっ問題が算数が苦手な受験生だと敬遠しがちなテーマからの出題だったことが要因と予測します。合否を決めるのは、問題の大半を占める基本~標準問題の正答数です。まずは各分野の解法を頭に入れることから始め、その上で過去問演習を通し て、時間内に問題を解くためのスピード感を養っていくとよいでしょう。

国語

大問1 随筆文(上橋菜穂子『物語ること、生きること』)
大問2 説明文(秋場龍一『天皇家の食卓』)

今年度の東京女学館の国語は受験者平均点48.5点、合格者平均点55.1点(100点満点)と、昨年度とほぼ同じレベルでした。条件記述問題は2問(50字以内・30字以内)であり、それ以外は選択・抜き出し問題というオーソドックスな入試問題であり、取り組みやすいものでした。文章内容については大問2よりも大問1がちょっと難しく感じた受験生が多かったでしょう。淡々とした筆致の中に見え隠れする筆者のメッセージを汲み取らなければいけません。

理科

大問1 サンゴの生態と環境問題
大問2 水溶液と金属の反応
大問3 火山の活動

小問数は19問。字数制限のない記述問題が2問、グラフを描かせる問題が2問という構成でした。問題文やグラフ・表などの資料の読み取り時間も含めると、時間に余裕のなかった受験生も少なくなかったのでは。大問1については知識だけでは解決できません。グラフから得られる情報に基づいて、想像力・思考力を働かせて解答する問題がありました。基礎知識の定着はもちろんのこと、覚えた物質の性質まで追求する姿勢、用語の意味することを掘り下げる姿勢が求められます。

社会

大問1 歴史総合(人々の移動の歴史)
大問2 地理総合(リオデジャネイロオリンピック)
大問3 総合問題(沖縄の地理・歴史)

試験時間30分で小問は38問ですが、論述問題が8問出題されたために時間的なゆとりはなかったと考えられます。全体的に書かせる量が格段に増えました。その結果、合格者平均点は昨年度よりも8点ほど下がって28.4点です。論述問題の中で3問は2行ほどの解答を必要とし、最後の論述問題は「あなたの考えを書きなさい」という形式でした。他に数値資料を読み解いて説明する出題もあり、対策が必要です。「なぜ」という疑問を持ちながら学習を進めていく姿勢が求められます。

 

2016年

算数

大問1 計算問題
大問2 ⼩問集合
大問3 ⽅陣算
大問4 速さと⽐
大問5 図形上の点の移動
大問6 ⽴⽅体の切断
大問7 数の性質

例年通りの問題構成でしたが、昨年に⽐べて合格者平均点が10点近く下がりました。⼤問5〜7は算数が苦⼿な受験⽣だと敬遠がちなテーマからの出題だったことが要因と考えられます。合否を決めるのは、問題の⼤半を占める『難度が低めの問題の正答数』です。まずは各分野の解法を頭に⼊れることから始めましょう。その上で,過去問演習を通して、時間内に問題を解くためのスピード感を養っていきましょう。

国語

大問1 物語⽂(リチャード・バック『完成版 カモメのジョナサン』)
大問2 論説⽂(瀬⼾賢⼀『⽇本語のレトリック』)
大問3 漢字の書き取り

今年度は受験者平均点48.1点、合格者平均点は55.1点。昨年⽐で10点以上も下回っています。⼤問1の物語⽂よりも⼤問2で差がついたことでしょう。⼤問2は岩波ジュニア新書からの出題(昨年度は岩波新書からの出題)。「レトリック」(修辞)の定義を説明する内容で、受験⽣にとっては難解なことばが数多く登場します。ただし、設問はオーソドックスなパターンばかりです。問6の「両刃の剣」はすぐに意味が分からなくとも、⽂脈からその意味を類推してほしいと思います。

理科

大問1 ⾷物連鎖
大問2 レンズとピンホールカメラ
大問3 気体の発⽣

受験者平均点は23.3点(得点率46.6%)、合格者平均点は27.0点(得点率54.0%)でした。昨年と⽐較すると計算問題が増えたため、その分平均点が下がったと考えられます。確かに⼤問3の計算については若⼲⾯倒な問題もありましたが、求められていること⾃体はさほど難しくありません。本校を⽬指すにあたっては、基礎の学習を怠らず、過去問を⽤いて取捨選択のトレーニングをすることが重要です。そして、知識問題だけではなく計算問題についてもトレーニングを積みましょう。

社会

大問1 歴史総合(戦後70年)
大問2 歴史総合(戦後70年)
大問3 公⺠総合(三権分⽴・⽇本の政治)

昨年度同様に短⽂論述問題が各⼤問で出題されましたが、いずれも標準的なレベルで難しくはありません。時事問題も各⼤問ごとに出題されています。また、今年度は写真を⾒て閣議や国会の本会議を答えさせる問題や、三内丸⼭遺跡や⼟偶の写真がヒントになっている問題が加わりました。⽤語・語句を答えさせる問題ではほとんどが漢字指定となっていますが、全体を通して基本的な内容を問う出題です。まずは基本事項の定着に⼒を注ぎましょう。

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