東京女学館中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算
大問2 小問集合(数・和と差・平均・面積・角度)
大問3 植木算
大問4 和と差
大問5 流水算
大問6 円グラフ

大問7題、小問25問、どの参考書にも載っているような典型的な問題で構成されています。大問1の計算、大問2の小問集合、大問3以降の前半の小問でしっかり得点できたかどうかが合否の別れ目だったと思われます。まずは 参考書を1冊に絞って、各分野を満遍なく学習して基本解法を習得した上で、過去問演習を通して時間内に問題を解くためのスピード感を養っていくとよいでしょう。

国語

大問1 物語文(小川未明『灯のついた町』)
大問2 論説文(外山滋比古『思考の整理学』)
大問3 漢字の書き取り

物語文+論説文+漢字の書き取り、という構成は昨年同様です。大問2の論説文は難しいことばが数多く登場して、読みづらさを覚えた受験生もいるのではないでしょうか。東京女学館の入試問題は「模擬試験」のようなつくりで、受験生の読解能力がそのまま反映されやすいものといえます。普段からいろいろなジャンルの文章を丁寧に読み解く姿勢が問われています。

理科

大問1 蒸散
大問2 金属の燃焼
大問3 地学
大問4 ふりこ

去年度および一昨年は大問1が小問集合でしたが、今年度は小問集合はなく、各分野から1題ずつ計4題構成でした。聞かれている内容自体は平易なものですが、記述解答の問題や計算問題が多数配置されているなど、テンポよ く解き進められるかどうかが問われます。くり返し標準的な問題集をやりこみ知識や解法を定着させて、1つ1つの問題をスムーズに解くことができるように練習を重ねましょう。

社会

大問1 日本の絵画表現の歴史
大問2 外国人観光客

合格者平均点は30. 8点(50点満点)と昨年度(34. 9点)より難化しています。大問1は作曲家・古関裕而を切り口にした地理中心の問題です。「共助」の具体的取り組み、環境難民が発生する原因など、即答しづらい問題が散見 されました。大問2は新型コロナウイルスの流行を切り口にした歴史の問題です。基本知識を答えるもので易しいものばかりでした。グラフの読み取りやある現象の原因を問われる問題が増えています。資料問題に多く触れておく必要があります。

 

2020年

算数

大問1 計算
大問2 仕事・推理・割合と比・推理・周りの長さ
大問3 平均
大問4 分数・数列
大問5 食塩水やりとり
大問6 容器と水
大問7 点の移動とグラフ

大問7題、小問25問の構成でした。問題数が多く、全体的には難易度はかなり低めなので、普段から標準的な問題をミスなく、短時間で解く力を養いましょう。大問3の平均の問題、大問5の食塩水の問題は非常に易しかったので、ここでの失点は合否に影響があったと思われます。まずは各分野の解法を頭に入れることから始め、その上で過去問演習を通して、時間内に問題を解くためのスピード感を養っていくとよいでしょう。

国語

大問1 物語文(灰谷健次郎『ひとりぼっちの動物園』)
大問2 論説文(木田元『技術の正体』)
大問3 漢字の書き取り

大問1・大問2とも比較的有名な作品ですので、目にしたことのある受験生がいたかもしれません。とはいえ、例年の東京女学館の出題傾向を考えると、読解問題は難化したと考えられます。大問1は長文であり、読み終わるのに時間がかかります。大問2は大人向けの哲学的なテーマの文章であり、登場する語彙レベルが高く、なかなか理解しづらかったかもしれません。慣用表現の理解や、しっかりとした記述構成などが求められています。

理科

大問1 小問集合
大問2 季節と天気
大問3 人体(血液循環)
大問4 輪軸(パラスポーツの車いす)

例年通り、大問4題構成で大問1が小問集合、自由記述が3題出題されています。大問4の「普通の車いすとパラスポーツの車いすのちがい」をテーマにした見慣れない問題があったため、1つ1つをテンポよく解き進めることができたかどうかが合格に向けてのポイントになりました。問われている内容自体は標準的なレベルと言えるので、基本的な知識を定着させた上で過去問演習でペース配分や記述問題への対策を行いましょう。

社会

大問1 日本の絵画表現の歴史
大問2 外国人観光客

合格者平均点は34. 9点(50点満点)と昨年度よりやや易化しています。歴史・地理分野が出題される大問1、時事的話題から公民・地理分野を主に扱う大問2という構成は昨年度と同様です。全体的に小問数が減っており、説明を求める短文論述も4問と少なくなっていますが、意見を求める論述問題は引き続き出題されています。漢字で用語 を答える、年代順に並び替えるといった基礎的知識を問うものが多いので、日頃からしっかりと定着させる必要があります。

 

2019年

算数

大問1 計算問題(4問)
大問2 小問集合(5問)
大問3 約束記号計算(計算機)
大問4 売買損益
大問5 三角形の面積比
大問6 体積と容積の変化
大問7 ニュートン算

例年通りの問題構成です。大問7まであり全部で30問近くあります。問題数が比較的多いので、短時間に正確に問題を解き、確実に点をとる能力が必要です。大問3では長い文章を読んで、規則を推理して解く能力が必要でした。割合や濃度、体積や容積の変化など、テクニックがないと、時間を使ってしまう問題も多いため、繰り返しの練習が必要です。

国語

大問1 物語文(岡野薫子『桃花片』)
大問2 論説文(斎藤孝『読書力』)

昨年度、文章3題構成に変化した本校ですが、今年度は一昨年度以前に回帰し、文章2題構成でした。記述問題数は増加した昨年度と同様の5問でした(自由記述問題は姿を消しています)。大問1の物語文は壺を焼く職人親子が登場します。あまり身近に感じられないため、少し読みづらく感じた人がいたでしょう。大問2は読書することの効果について述べた論説文です。こちらははっきりとした構成の文章でしたので、問題にも取りかかりやすかったのではないかと思います。

理科

大問1 小問集合
大問2 天体(星座、惑星)
大問3 昆虫、ダンゴ虫の行動
大問4 金属の分類、合金

4年ぶりの大問4題の構成で、新たに小問集合の大問が追加されました。問題数が増えたことはもちろん、作図問題1問、自由記述3問の出題、加えてダンゴ虫の行動の実験や合金についての説明など未知のテーマを扱わせる出題もあって、ペース配分が難しい問題になっていました。1つ1つの問題レベルは標準的なものが多いので、対策としては、基礎知識を定着させたうえで、過去問演習を繰り返し行い、記述のコツやペース配分を掴むと良いでしょう。

社会

大問1 日本の信仰・宗教の歴史
大問2 日本の自然災害

試験時間は30分、各大問では歴史・地理・公民・時事問題が総合的に出題されており、問題構成は昨年度と同様です。ただ、昨年度に比べて選択肢の問題が少なく、用語を漢字で正確に答えさせる問題が増えているため、基礎的内容をしっかりとおさえておく必要があります。説明を求める短文論述も引き続き出題されているので、世の中の出来事に関心を持ち、1つの事柄をあらゆる分野の観点から考える力を養っていくことが大切です。

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