頌栄女子学院中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 平面図形
大問3 投票の問題
大問4 ニュートン算
大問5 推理算・場合の数

ここ数年は難化傾向にあり、今年度の合格者平均点は昨年度より2点ほど低い38.1点となりました。作図方法を説明させる大問2や、ボウリングを題材とした大問5など、受験生にとって取り組みにくいと思われる問題が数多く見られました。大問1も一筋縄ではいかない小問が出題されているため、とくべき問題の取捨選択を行い、一問一問確実に正解を積み重ねていくことを意識しましょう。

国語

大問1 論説文(稲垣栄洋『植物はなぜ動かないのか』)
大問2 物語文(三浦しをん『風が強く吹いている』)

今年度の合格者平均点は61.8点(100点満点)でした。大問1は選択肢問題中心です。問10は登場人物の生き方を自身に投影して書かせるという自由作文問題。大問2の物語文では心情理解に関する記述問題が2問出題されています。学校側が公表した模範解答を見ると、それぞれ80~100字程度の記述量を求めていることが分かれます。過去問にしっかり取り組んできた人は近年の傾向通りだったことが分かるでしょう。

理科

大問1 燃焼・分子モデル
大問2 血液と酸素の運搬
大問3 フェーン現象と湿度
大問4 回路と電流・三路スイッチ

合格者平均点は59.4点でした。例年通り、思考力・計算力・表現力を測る問題が中心で、難問や奇問の少ない良問であるといえます。制限時間40分で多くの設問(今年度は小問数38問)を処理していく必要があります。典型問題の早期定着を目指し、実験問題などでは「何を問われているのか」を自分のことばで端的に説明できるような学習を心掛けましょう。また、時事問題の対策もしっかりおこなってください。

社会

大問1 インターネット・ソーシャルメディア
大問2 日本の島
大問3 オリンピック

以前と比較すると論述問題の分量は減少傾向にありますが、全体的にはとてもボリュームを感じる問題構成になっています。とくに初見のデータやグラフ・表の読み取りについては難度が高く、多くの受験生が苦戦することでしょう。また、用語記述問題や各設問文・選択肢もそれぞれ分量が多いため、時間内に解くには解答スピードが求められます。時事問題は頻出で、各大問とも総合問題形式になっています。過去問題での対策が必須です。

 

2017年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 推理算
大問3 2種類のタイルの並べ方
大問4 食塩水の濃度
大問5 場合の数・整数問題

合格者平均点は40.3点と、昨年度よりも8点下がり、一段と難化しました。ここ数年は難化傾向にあるため、合格するには問題の取りこぼしをしないことが絶対条件になります。大問1の計算1問と小問5問および大問2以降の小問1は確実に正解する必要があります。大問2以降は解答を導くのに時間のかかる問題が並ぶため、算数が苦手な受験生はまず各大問の前半の設問のみ解き進めていく姿勢が重要です。

国語

大問1 論説文(今北純一『自分力を高める』)
大問2 物語文(有川浩『旅猫リポート』)

今年度の合格者平均点は64.0点(100点満点)でした。大問1は選択肢問題中心です。問9の正誤問題は丁寧に取り組みたいもの。問10は自身の内面の変化について自由作文するという問題です。昨年度も同じ形式の問題が出題されたため事前に対策していた受験生が多かったことでしょう。大問2の物語文では心情理解に関する記述問題が2問出題されています。学校側が公表した模範解答を見ると、それぞれ70~90字程度の記述量を求めていることが分かれます。

理科

大問1 生物の進化と分類
大問2 磁石と電磁石
大問3 中和反応
大問4 月の満ち欠け

合格者平均点は58.8点でした。例年通り、思考力・計算力・表現力を測る問題が中心で、難問や奇問の少ない良問であるといえます。大問4では2016年11月のスーパームーンを切り口とした月の満ち欠けの問題が見られました。典型問題の早期定着を目指し、実験問題などでは「何を問われているのか」を自分のことばで端的に説明できるような学習を心掛けましょう。また、時事問題の対策もしっかりおこなってください。

社会

大問1 総合問題(核・原子力と日本)
大問2 総合問題(日本各地の都市)

試験時間40分に対して小問49問、うち論述問題が6問です。本校の試験は圧倒的な分量にその特徴がありましたが、昨年度から小問数や論述問題の解答量が減少傾向にあり、全体的に易化しました。しかし、それでも時間的なゆとりはあまり感じられません。事前に過去問題を解いて問題を解く速さを身につける必要があります。また、これまでは各分野ごとに大問がありましたが、今年度は大問2題構成でいずれも総合問題でした。グラフや表の読み取り、時事的な話題の対策も必須です。

 

2016年

算数

大問1 ⼩問集合(計算1問・⼀⾏問題9問)
大問2 剰余系(整数問題)
大問3 推理算
大問4 円とおうぎ形
大問5 ⾷塩⽔

合格者平均点は48.8点(昨年54.0)でした。例年⼩問集合にも多くの受験⽣が苦⼿とするであろう難しめの⼀⾏問題が出題されます。レベルの⾼めの問題に取り組んでおく必要があります。条件整理の問題も例年出題されます。過去問題に取り組むことで対策としましょう。また、図形では難しめ問題が出題されますので、同レベルの⼥⼦校の過去問の中で難度が⾼い問題に取り組み対策するのが良いでしょう。

国語

大問1 論説⽂(⼤澤真幸『学問のツバサ 13歳からの⼤学授業』)
大問2 物語⽂(須賀しのぶ『雲は湧き、光あふれて』)

⼤問1は⼤澤真幸が中⾼⽣を対象におこなった特別授業を書き起こしたもの。「⾃由」とは何かを具体例を挙げながら論じる内容です。特記すべきは⼤問10の⾃由記述問題。2020年の⼤学⼊試改⾰を⾒据えてのことでしょう。⼤問2の物語⽂は野球がテーマになっているため、読みづらく感じた受験⽣もいるはずです。条件記述が2問出題されていますが、どちらもオーソドックスな⼼情記述です。合格者平均点をみると6割正解を⽬指したいものです。

理科

大問1 ⽣物の進化
大問2 ⾦属の膨張とバイメタルスイッチを使った回路
大問3 鉄とマグネシウムの燃焼
大問4 星座早⾒と冬の⼤三⾓

設問数が49問と多い上に、会話⽂を読んで解く問題、図表を読み取る問題、記述やグラフ、計算問題は毎年出題されます。問題を解く上で求められるのは『スピード』です。時間がかかりそうだと感じた問題は後回しにして、できる問題からどんどん解いていく姿勢が⼤切です。難解な問題は多くはありませんので、典型的な問題を定着させた上で過去問演習を繰り返し⾏うことが、最良の対策になるでしょう。

社会

大問1 歴史総合(歴史上の三代⽬に関して)
大問2 歴史総合(歴史上の三代⽬に関して)
大問3 公⺠総合(国際連合)

本校の社会は、記述解答の分量の圧倒的な多さに⼤きな特徴がありますが、今年度は⼩問数、短⽂論述の問題数がともに減少しました。さらに、例年と⽐較すると時事的な話題に沿った出題も少なくなっています。しかし、頻出の近現代史は今年度も出題されました。難度の⾼い問題もありますが、全体としては易化したと⾔えるでしょう。それでも、40分の試験時間を考えると記述量は多いので、昨年度までの問題構成を念頭に置いて「書く⼒」を養う取り組みは⽋かせません。

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