【世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都を親子で学ぶ|写真と物語で楽しむ本2冊

「世界遺産」という言葉は知っていても、なぜその場所が未来へ受け継がれるべきなのかまで説明するのは、意外と難しいものです。

齊藤美琴先生がイチオシの書籍を紹介する連載企画「読書で世界を広げよう」。今回は、日本で27件目の世界遺産となった「飛鳥・藤原の宮都」をきっかけに、美しい写真とQ&Aで楽しむ『世界でいちばん素敵な世界遺産の教室 日本編』と、偉人たちの物語から歴史をたどる『13歳からの世界遺産』をご紹介します。

世界遺産を「知っている」から「わかる」へ。親子の学びと興味を広げてくれる2冊です。

新しい世界遺産が誕生しました

日本で27件目となる「飛鳥・藤原の宮都」

2026年726日、韓国の釜山にて開かれていた第48回ユネスコ世界遺産委員会において、「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産一覧表への記載が正式に決定しました。日本では2年ぶり、27件目となる世界遺産です。

「飛鳥・藤原の宮都」は、飛鳥宮跡や藤原宮跡をはじめとする19の遺跡から成り、日本で中央集権国家が形づくられていく過程を今に伝える貴重な文化遺産です。歴史の授業で「飛鳥時代」という名前は知っていても、「なぜ飛鳥なのか」「どのような場所だったのか」までイメージできる人は案外少ないかもしれません。

【世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都を親子で学ぶ|写真と物語で楽しむ本2冊
奈良県・石舞台古墳。世界文化遺産「飛鳥・藤原の宮都」の構成遺産のひとつ。

 

写真を眺めるだけでも楽しい『世界でいちばん素敵な世界遺産の教室 日本編』

世界遺産について、まずは楽しく知りたいという方におすすめなのが、世界でいちばん素敵な世界遺産の教室 日本編です。

 

美しい写真とQ&Aで気軽に楽しめる

以前も、「世界でいちばん素敵な教室」シリーズから『世界でいちばん素敵な大和言葉の教室』『世界でいちばん素敵な理科の教室』をご紹介しました。どちらも、美しい写真とシンプルなQ&A形式で、専門的な内容を気軽に楽しめることが魅力でした。

本書もその魅力はそのまま。ページを開くたびに、美しい写真が目に飛び込み、まるでフォトブックを眺めているような感覚になります。「登録が見送られたら、どうなるの?」「富士山が自然遺産じゃないのは、なぜ?」「『道』が世界遺産って、ほんとう?」など、思わず読み進めたくなる問いが並び、どこから開いても楽しめます。

【世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都を親子で学ぶ|写真と物語で楽しむ本2冊
生成AIによるイメージです。

「飛鳥・藤原の宮都」もいち早く紹介

2025年の刊行で、2024年登録の「佐渡島の金山」だけでなく、その当時において次に世界遺産に登録されそうな場所として「飛鳥・藤原の宮都」もしっかりと取り上げられています。Q&Aだけでなく、コラムとして色を切り口にした紹介もあり、美しい日本の魅力を改めて感じさせてくれる一冊です。

エピソードから歴史が立ち上がる『13歳からの世界遺産』

 

もう一冊おすすめしたいのが、『13歳からの世界遺産 偉人のエピソードで見え方が変わる!』です。こちらは、一般的な世界遺産のガイドブックとは少し異なる切り口。偉人たちの年齢を軸に、関連する世界遺産を紹介しています。

偉人の「年齢」から世界遺産をたどる

【世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都を親子で学ぶ|写真と物語で楽しむ本2冊
生成AIによるイメージです。

例えば、「アンネ・フランクは13歳で『アンネの日記』を書き始めた」というエピソードから始まり、その関連遺産として「アムステルダム中心部・ジンフェルグラファト内部の17世紀の環状運河地区」を紹介します。73歳の項目で紹介される葛飾北斎は「70歳までに描いた絵は取るに足らないものだったと気付く」など、取り上げるエピソードも独特です。

「歴史は年号の暗記」という印象が変わる

世界遺産そのものの説明でなく、その場所に関わる人々の人生や時代背景が自然と頭に入ってくるので、「歴史は年号の暗記」という印象が大きく変わります。

13歳から3279歳まで続くユニークな構成

タイトルの「13歳から」という言葉は、歴史を本格的に学び始める頃という意味だけではなく、13歳のアンネフランクから始まり、428歳のガリレオガリレイや、3279歳のラムセス2世など、いうユニークな年齢までエピソードが続いていく構成にも由来しています。

子どもはもちろん、大人が読んでも「こんなつながりがあったのか」と驚くことが多く、読み物として純粋に面白い一冊です。

「飛鳥・奈良の宮都」をキッズページで深堀り

【世界遺産登録】飛鳥・藤原の宮都を親子で学ぶ|写真と物語で楽しむ本2冊
世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」ページはこちらから


書籍ではありませんが、世界遺産「飛鳥・藤原」協議会が子ども向けのキッズページを公開しています。今回登録されたばかりの世界遺産についての疑問に楽しく答えてくれます。

写真や資料で遺跡の姿をイメージできる

キッズページでは、やさしい言葉で解説されているだけでなく、航空写真や資料も豊富でわかりやすく、「ここが飛鳥宮だったのか」「こんな場所が残っているのか」と視覚的に理解できます。ニュースだけで終わらせず、ぜひ写真もあわせて眺めてみてください。

世界遺産は「知っている」から「わかる」へ

ニュースで「世界遺産登録」という言葉を耳にする機会は増えていますが、「名前は知っているけれど、どんな価値があるのかは説明できない」というものも少なくありません。

背景を知れば、世界遺産はもっと面白くなる

世界遺産の面白さは、単なる観光名所ではなく、なぜそこが未来へ受け継がれるべき場所なのかを知るところにあります。その背景を知ると、旅行先として訪れる楽しみも、歴史を学ぶ面白さも何倍にも広がります

今回登録された「飛鳥・藤原の宮都」をきっかけに、ぜひ日本の世界遺産をもう一歩深く知ろうとしてみてはいかがでしょうか。美しい写真から入るのもよし、偉人たちの物語から入るのもよし。

「知っている」が「わかる」に変わると、日本という国が今までよりいっそう魅力的に見えてくるはずです。

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