桜蔭中学校の2024年度入試問題分析【提供:スタジオキャンパス】

2024年度 桜蔭中学校の出題構成と問題分析【算数】50分[100点]

出題構成
大問1 計算・小問集合(場合の数・平面図形) 大問3 図形の移動(転がり移動)
大問2 文章題(割合と比) 大問4 水問題(底面積変化グラフ)

今年度も例年通り、“思考力”を問う問題が並びました。計算処理の煩雑さは例年の本校のイメージとなりますが、昨年に比べるとその重厚感は薄くなった印象です。限られた時間の中で、ある程度平易な問題については確実に正解を出し、その上でレベルの高い問題や煩雑な処理を必要とする問題にどれだけ立ち向かえるかがカギとなります。記述解答形式の問題に対しては、自分がどのように考えたかをコンパクトにまとめる練習が必要となります。

2024年度 桜蔭中学校の出題構成と問題分析【国語】50分[100点]

出題構成
大問1 随筆文(最果タヒ『恋できみが死なない理由』)
大問2 物語文(増山実『百年の藍』))

大問1は若者を中心に人気を誇る詩人・小説家の著者のエッセイ。言葉というものへの性質を筆者独自の観点から考察しています。言葉の分からなさという「異物感」に出合うからこそ、その言葉に「人」が宿ると記述されていましたが、ここの意味がすっと理解できることが大切です。大問2は、100年前の関東大震災のときにアメリカから送られてきた救援物資の中に「ジーンズ」が入っていたというエピソードから着想を得て書いたという作品で、大問1より取り組みやすかったと思います。

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2024年度 桜蔭中学校の出題構成と問題分析【理科】30分[60点]

出題構成
大問1 溶解度/製塩 大問3 雨上がりの運動場の乾きやすさ/関東ローム層など
大問2 光の三原色とサニーレタスの成長 大問4 ドップラー効果の実験

昨年度同様に大問4題構成です。大問1の計算問題および大問2の考察問題は差がついたものと思われます。大問3は水道橋駅周辺の地層について出題されており非常に興味深い内容でした。大問4については学習効果の高い良問です。本校では例年、実験結果から考察する問題が多く出題されます。日頃から与えられた条件や結果を論理的に考える習慣、本質を見抜く力をつける学習、時事的な話題に触れることを意識しましょう。

2024年度 桜蔭中学校の出題構成と問題分析【社会】30分[60点]

出題構成
大問1 水道の歴史と水問題 大問3 日本における税の歴史
大問2 先住民族と持続可能な開発

公民分野の小問集合形式だった最後の大問が、これまでとは大きく変わりました。大問1の一部及び大問2で公民分野が出題され、大問3は「日本における税の歴史」についての長いリード文を読ませて答えさせる形式でした。さらに、3つの短文の正誤を判定させる問題が10問出題され、難度が高く差がついたと思われます。一方で短文論述の出題は例年より減少しています。正誤問題では日頃から知識の正確性を意識し、さらに問題演習を重ねて対策をしましょう。

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